現在、紙のまちとしられる富士市には70の製紙工場があり、再生紙を作る工程で約105万トン(平成20年)のペーパースラッジが発生しています。
「ペーパースラッジ(PS)って何?」と思われる方もいると思いますが、PSは古紙を再生する時に発生する産業廃棄物です。再生紙は古紙を薬品で解かし、原料となるパルプ繊維を取り出しますが、紙にならないパルプの微細繊維や紙の表面加工等に使われている填料や顔料などの処理汚泥が発生します。そのほとんどは、排水処理工程の凝集沈殿などの処理施設により水分と汚泥に分けられ、回収されたものがペーパースラッジなのです。
古紙のリサイクルには多くのペーパースラッジが発生しますのでペーパースラッジの有効利用が促進されないと古紙のリサイクル循環はストップしてしまう恐れがあります。
現在、紙のリサイクルは良く聞きますが、もう一つのリサイクルでもあるPSの有効利用についても目を向けなければいけないことでもあります。
平成22年度版の富士市の工業に掲載されている平成20年のPSの処理については、PSとして約105万トンが発生し、その内焼却量として98,7万トン(94%)残りの6万4千トン(6%)が再利用されています。その94%の焼却量の焼却灰は、17万2千トンで再利用として16万6千トンが使われており、残りの5369トン(3%)が埋め立てにされています。
そのPSの埋め立て処分量の削減の為、製鉄保温材や有機肥料原料などとしての利用、そしてPSを焼却する事によって熱回収と減量化を図っています。また、その焼却灰については、土木用資材など様々な用途の研究開発が積極的に行われています。
中でも、PSの有効利用について今までにも、ニューセラミック(FJTライト)製造設備を完備している春日製紙工業株式会社において、新たなPSの有効利用施設として、今年の4月より廃食油を使ってのバイオマスボイラーのプラントが出来た為に、工業振興課と私の所属する会派で視察をしに行ってきました。
長くなるので視察報告は、次回にします。