中国日系企業視察

 

 中国嘉興市で、経済開発区にある日系企業を視察しました。ものすごいスピードで変化する中国においての日系企業についてどのような状況であるかいい勉強になりました。

 嘉興経済開発区は三つの工業団地、一つの高等教育団地、三つの商業住宅団地に分けられています。三つの工業団地とは、西南工業団地、電子紡績軽工業団地と機械総合工業団地であります。各工業団地は業種によって、適当なインフラが整備されている状況であります。経済開発区には、100数社の日系企業が進出しており、その中の機械総合工業団地は、計画面積8km2、開発区の東北部に位置し、都心部まで5kmであります。機械、化学や金属加工業も嘉興の伝統的な産業であり、専門技術人材資源を有しています。
その開発区の機械総合工業団地にある、嘉興村上石崎汽車配件有限公司(MIC)は静岡県に本社を置く、バックミラーの業界最大手の(株)村上開明堂が70%広島の(株)石崎本店30%の100%日本出資の自動車のバックミラーを主に製造しているこの団地に進出している48社の内の1つの日系企業です。

 視察には、嘉興市の名誉市民でもある、松下才吉社長が親切に対応して頂けました。
MICは村上開明堂の海外拠点の1つとして、2002年11月に松下社長を入れて、17名でスタートし、現在は700名の社員がおり、昨年の年商は、60億円を挙げています。スタートしてからは順調に業績を伸ばし、心配されていた労使問題に関しても、他の地域と違い、嘉興市民の比較的穏やかな性格と毎月一回労使協議を開く、松下社長の努力によりトラブルは無いようです。また、日本のQC活動も取り入れられており、品質向上、費用削減等のポスターもあちらこちらに貼られ、意識向上が図られ工場内も非常にきれいな状況が保たれていました。

 2002年新規採用の給与は400元(約6000円)5年後の2007年850元(約14000円)部長クラスでも10万円まではいかないという状況は日本では考えらず、自動車メーカーでありながら、700名在籍する社員の中で車の所有者はわずか5名しかいない状況であります。日系企業に勤めていても車がまだ持てない実情でもあります。女性が多くいるので社長に確認すると、「本当は、全部女性にしたい位です。中国に来て労働者と接していると女性に比べ、男性は怠けものが多いです。しかしながら、男性でなくては出来ない仕事がある為に現在、女性7男性3の比率であり、管理職にも女性が18人就いている状況です」という労働事情を話してくれました。
 中国の増大する自動車事情に伴い、バックミラーの生産が追いつかない状況でもある為に新たに新工場設立の用地も取得し更なる飛躍をする企業である事を感じ取れました。
(嘉興市友好訪問10月22日)