ニュートリノとは人類の基盤を作る研究。

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富士市制50周年記念事業であるノーベル物理学賞受賞者梶田隆章氏講演会の入場券が当たっていましたので聴きに行ってきました。今回の講演会に関しては、1600人の大ホールはいっぱいでした。また、高校生を中心に集められていたようで、一般の受講は人数制限がされており、入場券が無いと聴くことができないほどの人気でした。

「神岡でのニュートリノ研究と戸塚洋二先生」と題した講演会の内容は、
・カミオカンデの頃
・ニュートリノって何?
・スーパーカミオカンデ
・ニュートリノ振動の発見
・スーパーカミオカンデの事故
・将来の神岡でのニュートリノ研究
・まとめ
とパワーポイントを用いての話でもありました。
ニュートリノとは宇宙で最も豊富な素粒子の一つで、身の回りを光速で飛び交っており、私達の体を1秒間に約1兆個も突き抜けていきます。しかし、ニュートリノは他の物質とほとんど反応しないので、それを感じる事はありません。素粒子ニュートリノが質量を持つ事が明らかになった偉大な研究は評価されている事は有名ですが、あらためて話をきいてニュートリノとは宇宙で最も小さな粒子を知るえる事も出来なかったニュートリノを質量として見る事ができる装置が「カミオカンデ」と言う観測装置で、故・戸塚洋二氏らによって「スーパーカミオカンデ」と言う観測装置を発明された話を聞いていて神岡での研究の苦労はすごい事なんだなと理解はできました。実は、ニュートリノと言う言葉もですが、この研究による価値の凄さがいまひとつ良く分らないというか ピンと来ないところがありました。
最後まで聞いて、質疑においてピンと来なかったことに対しての回答がありました。私も思っていた事ですが、「ニュートリノが発見されて、生活に何か関係する事、役に立つ事があるのでしょうか?」と言う問いに対しての答えは、「100年経とうと、200年経とうと日常生活に役立つような事ではありません。このニュートリノの研究は人類の基盤を作っていく研究であります」との事。
まさしく、この言葉でわかりました。「人類の基盤を作る研究でありますので、身近な何かに役立つとか、目に見えるような変化があるという事がわかるようなものではないとするもの」で一般的には理解しにくいものであるという事です。
分からない事や新たな事を研究する物理や科学の世界は好奇心が無ければ、発展はありません。崇高な想いで長い年月とお金をかけ人類の基盤をつくる研究だからこそ苦労と価値があるのだと理解できました。
あらためて、人類の基盤を作る研究という事を頭に入れて、もう一度富士川楽座に、先月開館した、戸塚洋二ニュートリノ館に行って勉強してこようと思います。