商工会議所青年部の第29回関東ブロック静岡大会がグランシップで行われ、分科会終了後、静岡のB級グルメとして名高い、名物静岡おでんを食べてきました。ちょうど、青葉通りでは、静岡おでん祭りが開催されており、いい機会でもありました。
独特な味と色をした静岡おでんは、コンビニの透き通ったスープのおでんを食べ慣れている私にとっては、最初、おでんが入っている鍋を見た時濁っていると言うより煮詰まった黒いスープが、ちょっと大丈夫っていう感じでした。でもそれが静岡おでんのポイントです。
静岡おでんの真っ黒スープに、牛スジ、豚モツ入りのはじまりは、大正時代、廃棄処分されていた牛すじや、豚モツを、捨てずに肉系の煮込みにしたのが、はじめだとされています。また当時から、由比や焼津は練り製品の産地だったことから、黒はんぺんなどの練り製品がおでんの具に使われるようになったそうです。
最初は驚くのですが、あの真っ黒いスープ(いい方を悪くすればちょっと汚ない感じ)はどうやってできているのかと思います。静岡おでんのベースである、牛スジや、濃い口醤油を入れても、1日ではあんなに真っ黒にはなりませんし、おそらくどこの店でも、スープを捨てずに鰻屋の秘伝のタレのように継ぎ足して使っているので、あんなに真っ黒になっていくと思われます。ほとんどのお店は、終業後、毎日スープをこして冷蔵庫に保管し、翌日それにスープを継ぎ足して作っているそうですが、黒はんぺんなどの練り製品を入れることによってさらに色が黒くなると言われ、真っ黒いスープにはその店の伝統の味でもあります。最近では、お店によってはトマトもおでんにはいっています。
味噌とダシ粉が掛かり濃い味は、「うまい」です。それに、けっこうハマる庶民の独特な味でもあり、お酒が進み、つい飲んでしまいます。静岡には、かつての名残のおでん街やおでん横丁が点在しておりちょっと一杯っていう感じで気軽に立ち寄れる場所がある処は羨ましい限りです。富士宮焼きそばもそうですが、庶民の文化が香る静岡おでんは、テレビで創られたつけナポリタンとは歴史や物語的にも格が違うような気もしてしまいました。
おでんを食べ、ちょっとお酒が入り気持ちがよくなりながら、静岡のまちを堪能してきましたが、夜遅くの時間でも富士市と違い、お店も人出も多く、賑わっており活力を感じます。
最終電車で帰って来たのですが東田子の浦駅に降り、だれもいない駅の改札口を出た時、夢から覚めたような感じでした。