能面展で思いついた事


 ロゼで26日まで開催されている「第19回富士能面展」では、多彩な表情を持つ素晴らしい能面の作品が展示されており、一つ一つの作品に見入ってしまいます。

 能面の種類は約250種類と言われていますが、その基本形は約60種です。室町時代より安土桃山時代に打たれた面を本面と呼び、その後は、その基本形を模倣再現しているそうです。
(魚民さんとはせ川さんの大女将も出展していました)

 富士市で能面や狂言面を作っている「富士面の会」の作品展示会には、知り合いの皆様が作品の披露をしている事の案内を頂いたので見学させてもらいました。能面は感性に訴える美術作品でもあり、見た人を幽玄な世界へ誘います。

 面の製造過程や、元となる材料のヒノキが展示されていたのを見ながら、ふと思いついた事を、出品している鷹岡商工会の村松会長に聞いてみました。

「素晴らしい作品なんですけど、富士ヒノキで能面はできないのですか?」
「出来ない事はないけど、やはり、寒い地方で育った目の細かい木曾ヒノキじゃないとダメなんだな」
「そうですか、地元のヒノキの利用促進で能面にも使われているというと良い宣伝になると思ったんですけど」
「・・・・・・・」

富士市も富士ヒノキを使っての住宅促進に取り組んでいますので、地産地消と間伐材の有効利用として、能面にも使えれば、PRも兼ねて宣伝にもなり、文化活動にもいいと思ったのですが、残念です。
 以前にも、富士ヒノキは温暖な地域でのヒノキであるが為に目が粗い為に、柱などの使用に際しても、ヒノキを使いたい人にとっては、ブランドとしても木曾ヒノキを用いたいと言う話を聞いた事がありました。どうも、ヒノキなら何でもいいという訳にはいかないようです。

 能面を見ながらも、間伐などを踏まえた上で富士ヒノキの利用促進をしていく上では、どんなものが良いのか、どんなPRが良いのか、知恵を絞らなければいけないと思いました。