精密農業とアグロメディカルフーズとは??

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経済同友会が主催する東京農工大学の澁澤栄教授の「精密農業とアグロメディカルフーズ」と題した講演会をグランド富士で聞いてきました。講演では澁澤教授は、農業経営構造が今後10年で劇的に変わる状況かにおいては、精密農業必要であり、アグロメディカルフーズの需要は伸びる事を指摘していました。
その必要性のある精密農業と需要が伸びるとするアグロメディカルフーズについて説明すると、精密農業を一言で表すと「ばらつき管理」の農業だと言われています。一筆の圃場にも土壌水分、硝酸態窒素、pH、ECなどにはばらつきがあり、収量や品質に影響します。農家が経験と勘で対応してきたばらつきを、科学的に管理しようという手法です。GPSを利用した自律走行トラクタ、衛星画像からの情報でコメのたんぱく質含量を把握するなどはよく知られていますが、精密農業がもっとも普及しているのは米国です。圃場を細分化して肥料や農薬の量を最適化することで無駄な施肥や防除をなくし、コストを削減している、一方、一農家当りの経営面積が小さい日本でも精密農業の研究が進んできています。精密農業の導入過程は、農業を鉱工業化し、また鉱工業を農業化する様々な取り組みが包摂されていく過程でもあります。そこでは、「時間+位置+証拠」の記録に基づく判断文脈の構成が共通した基礎にあり、その出口はデザイン・イン型の産業を作り出すところにあります。農林業の対象が国土の大半であることを考えると精密農業の普及は我が国のグランドデザインに大きなインパクトを与えることにもなると言われ始めています。
また、アグロメディカルフーズ(Agro-medicalFoods:AMF)とは、生体内でターゲットにしている組織に機能性成分が到達して作用しているという証拠に基づき、その機能性の効果が期待できるように計画的に産出された農産物であるアグロメディカルフーズの構想は、「農学」と「医学」が長い時間をかけてようやく実生活の課題を研究対象に取り上げることができるようになってきています。
精密農業にしても、アグロメディカルフーズにしても聞きなれない言葉でありましたので新たな知識として大変勉強になりました。
恐らく今後、重要な言葉となると思っています。そのことを踏まえても、農業、食、健康、医療等々の研究を進める上でも沼津市の東海大学跡地のイノベーションセンターは重要拠点でもあります。