先週、明治大学での日本自治創造学会研究大会を受講してきました。その中の1つに中邨章明治大学名誉会長の「地方議会人の挑戦」と題した講演の中で「拡大する議会改革、低迷する議会イメージ」として、現在多くの議会では議会基本条例を制定したり、議会改革にそれなりに努力しているにも関わらず住民が知らない状況。また、議員の努力が住民に伝わらない状況の説明がされた後、議員や議会がやっている事と住民の意識に格差がある事を4つに理由を挙げて証明してくれました。
議会基本条例の制度化状況は(2015年9月18日更新資料より)
A,都道府県=30件(60,3%)市区=432件(53,1%)町村=239件(25.8%)
議会改革の進展
B,議会報告会の開催 813市のうち、394市が実施(48.4%)
C、議員討議406市(49.9%)
D,反問権の導入435市(53.5%)
E,議事録の公開(検索システム)本会議630市(77,9%)委員会240市(20,7%)多くの自治体で、議会改革を進めている事が伺えます。
議会改革と住民の関心
基本条例の認知度知らない(87,5%)知っている(6,4%)
議会報告会の関心感心が無い(66,7%)参加した事がある(2,9%)
市議会だより知らない(25,5%)読んだことが無い(20,9%)毎回読む(5,1%)
議会改革を進めているにも拘らず、住民の関心の低さははっきりしています。
住民の議会改革への関心はなぜ低いのかの4つの理由
- 二元制のタテマエ
- 代議制の制度と現実
- 地方議員の低い報酬
- 参加アクセスの不足また、努力しているにも関わらず住民伝わりにくい原因としては、特にメディアが良い事に対しての注目は少ないとしていました。ただ、地方議会人として2つの自信は持ってもらいたいとし、1つは、議会政治125年の歴史は、これだけ長い歴史を持った議会はアジアに無い事。2つ目は、2000年以降自らが提起する議員削減を進めてきており、国は未だに何もしていないのに地方議会は取り組んできた。だから地方議員はこれからも,自信をもって挑戦はして行ってもらいたいと締めくくられていました。
富士市においても平成23年に議会基本条例を制定し、議会改革に取り組んできています。
研修を通じて見せかけの議会改革ではなく、あらためて市民に理解される議会改革を更に示していかなければならないと感じます。