22年11月議会一般質問

農業農村整備事業の現状と展望について

お許しを頂きましたので、私は先に通告してある、「農業農村整備事業の現状と展望について」を質問させてもらいます。今回の質問に関しては、昨年の9月に政権が変わり、国において様々な施策が取られていることに関係することですが、それらの施策を施行するにあたっての財源捻出の仕方に疑問と不満が多く上がっているうちの一つに農業農村整備事業もあります。来年度の予算は現在編成中であり、国の動向に関わる問題ですので市だけではどうにもならない部分があるのは理解していますし、来年度の予算が決定していないので、発表されている概算要求からだけの予測に対してはお答えしにくい点は多々あると思いますが、地域に大きくかかわることでもあるのでどうしても、地域の実情を知っていただきたく質問をしたいと思っています。
農業農村整備事業の現状として、現在、農業を巡る情勢は、昨日の一般質問でも取り上げられていましたが、高齢化・過疎化の進行、所得の減少等、非常に厳しい状況があり、先行きが不透明の中で、食料自給率も40%足らずと低迷もしています。その上で、農業農村整備事業は国民の必要とする食料の安定化に供給する為の農業生産基盤の整備は求められることであり、基盤整備事業は食料自給率向上を掲げる我が国においては欠くことの出来ない物であります。しかし、国の農業農村整備事業費は今年度は、前年度の5772億円から63、1%の大幅な減額がなされ2129億円となり、国の直轄事業の見送りや継続地区の予算も大幅に削減されています。幸いなことに静岡県の県営事業等は国の繰り越し予算の充当により、県当初予算の国費分は、ほぼ充足し事業執行に大きな影響がありませんでした。しかしながら、来年度も農家への戸別所得補償制度費の捻出のために実質的な農業農村整備事業費である基盤整備関連の公共事業予算の縮小が確実化されており、各地域においての継続事業への影響は考えられます。農業基盤整備事業は、農業の作業効率を維持する為にも継続的な基盤整備や保守は必要でありますが、富士市においての関連している2つの継続農業農村整備事業の湛水防除事業・地域活性化基幹農道整備事業はどちらも農業関係だけの事業ではありません。湛水防除事業は水田を守るためだけではなく、富士市の東部地域に大きな被害をもたらしている水害対策としての地域住民の生命や財産に関係する事柄でもあります。また、地域活性化基幹農道整備事業は、根方地域において、長年懸案事項となっている道が狭くて日常生活への支障をきたしている根方街道の危険箇所解消のための生活道路の改善対策の位置づけが大きく、どちらの事業にしても地域住民にとっては一刻も早い実現が求められています。ようやく本年度までは、順調に事業が推進され始めていると思っている矢先に、国の概算要求の話を聞き不安を覚えずにいられません。もし、予定されている予算削減による事業の遅れがあるようなら、関係地区において、無視はできないことであり納得もできないことでもあります。また、平成19年度から田んぼや畑における農地や水などの資源の保全とその質の向上を求めて農地・水・環境保全向上対策の導入がされており、富士市でも3つの地域で組織が設立されて取り組んでいます。この対策は、以前にも議会で取り上げさせていただきましたが、農地や農業用水等を豊かな自然環境や景観を形作る貴重な資源として位置づけ、それらを保存するとともに農業全体を環境保全型に転換していくことを目的とするものでもあります。期間事業として5年間実施され、事業年度が平成23年度で終了する予定になっていますが、設立された組織が新たな仕組みとして成り立たつようにしていくことが求められ、引き続きの支援は必要であることは考えられます。今後、予算削減でこの事業が進まなくなるようなことにも心配がなされており、農業振興はもとより豊かな自然環境や景観保全、治水等の多面的機能を維持する観点からのまちづくりにとっても大きな影響は考えられるので以下の質問をいたします。
1、 既に、平成23年度の国の農業農村整備事業予算概算要求の概要が示されていますが国予算の動向をどの様に把握しているのか、それによる県への影響はどの様な事が懸念されるのでしょうか
2、 市の農業農村整備事業の概要と影響を、特に継続県営事業をどの様に考えているのでしょうか
① いつ水害が発生するかわからない状況に置かれている東部地域の水害対策でもある江尾江川調整池18900トンを含む「湛水防除事業」についてはどうでしょうか
② 根方地区の渋滞解消と農地の生産性を高めるために平成24年までに事業完了を目指している期間事業でもある富士岡から中里までの1,34キロを繋ぐ愛鷹2期「地域活性化基幹農道整備事業」についてはどうでしょうか
3、 平成23年までの実施期間である農地・水・環境保全向上対策事業を富士市でも「富士山のふもとの郷を守る会」「今神倶楽部」「はるやま21」の3つの組織で行っているがその「ふじのくに美農里プロジェクト」についての現状と課題はどのようなものなのでしょうか
4、 来年度の予算決定がしなければはっきりしない部分でもあり、国・県の動向を見ながらではあると思いますが、決定してからでは遅いので、予算付けの前として、市としてはどのような対応を行っているのかを
以上一回目の質問としてお伺いいたします。

22年9月議会一般質問

富士市立高校として変わる中での、富士市でのキャリア教育の在り方について

お許しを頂きましたので私は先に通告してある、「富士市立高校として変わる中での、富士市のキャリア教育の在り方について」を質問致します。

日本において従来から職業教育はありましたが、キャリア教育と言う言葉として、文部科学省が初めて使ったのは平成11年であり、これが推進されるようになったのは、ニートやフリーターの増加や就職後の早期離職など学校から職業への移行が深刻な課題として捉えられるようになってからであります。以来、キャリア教育は「子供達が仕事を通して社会に適応し、自分らしい人生を実現できる人材へと育つよう支援する教育」と言われる中、まず、厚生労働省・経済産業省が加わり、その後には農林水産省も加わった中で、様々のキャリア教育政策の展開が急速に進められてきました。今までには、文科省では各学校段階を通じた体系的なキャリア教育等の推進として、小・中・高で一貫したキャリア教育の指導内容・方法について地域ぐるみで48の地域で実践研究や、5日間以上の職場体験を209の地域で実施しており、厚労省では、中高生を対象に在学中に生徒か就業体験を通じて、自らの適性と職業の関わりを深く考える契機とする「ジュニアインターンシップ」や「キャリア探索プログラム」を実施してきました。また、平成17年度から3年間、経済産業省においては、子供達に対して働くことの面白さ、理解を促し、職業観の醸成を図る為に「地域自立・民間活用型キャリア教育プロジェクト」を28の地域で実施しています。平成20年に出された、学習指導要領等の改善についての答申によれば、「近年の産業、経済の構造的な変化や雇用の多様化、流動化等を背景として就職、進学を問わず子供達の進路をめぐる環境は多きく変化している。このような変化の中で将来子供達が直面するであろう様々な課題に柔軟にかつたくましく対応し、社会人、職業人として自立して行く為には、子供達が1人1人の勤労観、職業観を育てるキャリア教育を充実する必要がある」と強調すると共に、中学校においては子供達1人1人の勤労観、職業観を育てる為「職業体験や(学習)」等を重点的に推進して行く事などを求めています。また、社会変化が激しい状況下は、自分の将来に不安を感じ、夢や希望が持てなかったり「学ぶ意欲」や「働く意欲」に欠けたりするなど、基本的な生活習慣や自立した社会人・職業人として生きていく上で必要な資質や能力が十分に見についていない子供や若者が目立つようになり「学ぶこと」や「働くこと」「生きること」についてを考えさせ、「望ましい勤労観・職業観」をはじめ、「生きる力」と「夢」を育むキャリア教育が各方面から強く求められるようになりました。現在、様々なキャリア教育の取組みが全国では行われている中では、全市的に捉え、組織的一元的に進めている自治体も出現しています。
富士市でも、文科省の子供達に生きる力を身につけ、社会の激しい変化に流される事無く、それぞれが直面するであろう様々な課題に柔軟に対応しながら、社会人、職業人として自立できるようにすることとしているとするキャリア教育及び職業教育の必要性や意義は十分認識した上で、富士市内では、学校教育活動全体を通して、各校の実情に応じた形で、教育活動全体の中でそれぞれの教科等の目標やねらいを設定しながら、計画的、継続的にキャリア教育の推進に取り組んでいる事は平成20年9月議会においての青木議員の一般質問での教育長の答弁で理解はしています。しかし、キャリア教育及び職業教育が全国的に実践されている中では、小、中学校だけでは無く、キャリア教育の在り方として、どの学校においても児童・生徒一人一人の勤労観、職業観を育てていく為に、子供達の発達段階に応じた体系的キャリア教育の在り方やキャリア教育の為の様々な連携の在り方は、富士市においてはまだまだ課題もあると考えられ、既に条件整備を整え取り組んでいる先進的自治体に比べると富士市の場合、更なる充実や改善が求められ始めています。その中で特に富士市でも、今後、キャリア教育を推進する上での方策として、生徒が求める様々な職種の職業講話の実施や職場体験・インターンシップを行っていく事に対してもですが、講師の選択を広げたり、受け入れる企業等と生徒のずれが生じない様に学校と企業等のしっかりとした橋渡し役は重要になってきています。また、様々のキャリア教育を進める支援プログラムの提供や開発は大切であり、今の先生だけでの対応では難しく、先生以外の専従の教育コーディネーターの存在は必要となってきています。その上で、キャリア教育を進めていくには、国の各省庁の政策を総合的人材対策として強化して行く進め方においてもですが、先進的に進めている事例を参考にする中では、教育、産業、雇用との連携は不可欠である事は確認されており、自治体での行政対応としては教育委員会だけでは対応しきれない事は言うまでもありません。
来年、商業高校は富士市立高校と変わる中で、富士市立高校は既存の高校に見られない固有の存在を示す「高校教育界のチャレンジャー」となり、10年後には「高校教育界のリーダー」となる事を宣言しています。その新しい高校、新しい教育のコンセプトとして、キャリア教育の一貫校としてキャリア教育を先進的に取り組む事が発表されています。先日の学校説明会においても、キャリア教育を通じて、夢を実現できる力をつけさせてくれる可能性についても話されていましたが、今まではとはちがう先進的な取り組みがなされる事は伺えます。その大きく変わる富士市立高校の目玉の一つのキャリア教育には大きな期待もありますが、それと同時に、これを機会に小・中・高においてのキャリア教育の取組みを更に充実させるチャンスとして、富士市として、市立高校を基軸としたキャリア教育の体系的組織的充実を図らなければいけないと考え以下の質問を致します。
1点目として、富士市でもキャリア教育を推進してきていますが、現状と課題は、
2点目として、体系的に進めていく上での小・中・高の連携はどの様になっているのか
3点目として、地域(企業・団体・市民)への理解促進と共にコーディネーターの存在や育成が求められる中では、協議会等の設立は急務と考えるがどの様な検討がなされているのか、
4点目として「新しい高校 新しい教育 新しい未来」とパンフレットに謳っている富士市立高校では、夢を実現できる力としての先進的キャリア教育を具体的にどのように進めていくのか、その上で、
ア、 職場体験やインターンシップはどの様に進めていくのか、
イ、 地域と企業を学校と結び付ける推進体制の整備が求められるが進められているのか
5点目として、市長にお伺いしますが、まちづくりは人づくりと言われます。キャリア教育の本質を考えた中で、10年、20年先の将来の人材育成は基より、産業支援としての雇用確保、就労の促進にも繋がるキャリア教育について、どの様な認識とお考えが有るのか
をお伺い致しまして、一回目の質問と致します。

22年6月議会一般質問

1、 富士医療圏おける「がん診療連携拠点病院」の整備について
2、 少子化が進む中での幼児教育の現状と課題について

お許しを頂きましたので私は先に通告している2項目について質問をいたします。
まず1項目目として、富士医療圏における「がん診療連携拠点病院」の整備についてですが、がんは日本人の死因1位です。現在、がんで命を落とす人が34万人を超えてしまい、2人に1人ががんに成る時代の中で、日頃から健康に気をつけている人であっても誰もが、がんに成る可能性があります。実際、家族や親戚、知人を含めがんと無縁でいられる方はむしろ少ないと言えると思います。静岡県においても昭和57年に死因の第1位に成って以降現在も増加し続け、平成18年の県内におけるがんによる死亡者は9364名です。富士市でも、全死亡者数の3割ががんで無くなっています。
国会議員の故・山本孝史参議院議員が自らのがんを告白する事で成立したがん対策を総合的に進める法律としての「がん対策基本法」が施行されてから3年がたちました。この法律は、それまで、日本の医療水準は世界的に見ても高いとされていますが、がん対策については、まだまだ課題が多く、例えばがんを取り除く技術は発達していますが、放射線療法や化学療法は不十分であり、痛みを抑える緩和ケアも十分普及していない事や、がん患者を登録して治療成績等を追跡するシステムも先進国の中では遅れている等の指摘がありましたが、がん対策基本法によって、これらの課題を克服し、日本全国どこにいても良質な医療を受けられる環境の整備を目的として施行されました。そのがん対策基本法に基づき国民がどこでも高度で専門的ながん医療を受ける事ができる「がん医療の均てん化」を推進する為に、一定の要件を満たす「がん診療連携拠点病院(以下がん拠点病院)」を概ね2次医療圏ごとに一か所整備する方針を示されています。がん拠点病院は、厚労省で平成13年に制度化されて以来、全国で375の医療機関が指定を受けており、静岡県でも平成14年に県立がんセンターを開院し、高度ながん医療を提供するとともに地域ごとにがん医療の連携体制を構築しながら、11の拠点病院が地域のがん医療実践の為に活動をしています。また、どの地域でも高度な専門的ながん医療を県民に提供できる「がん医療の均てん化」を目指す為に、平成19年に静岡県がん対策推進計画が策定されました。その中でも県は、県民がどこでも適切ながん医療をうける事ができる、「がん医療の均てん化」を図る為に静岡県保健医療計画との整合性を保ちながら国が指定する、医療圏毎のがん拠点病院の整備を推進する事が示されています。
しかし、富士市を含む、2次医療圏域には、富士市立中央病院と富士宮市立病院が県の「静岡県地域がん診療連携推進病院」にされてはいるものの、未だ、がん拠点病院は存在しません。富士医療圏に住む市民にとっては、身近な所にがん拠点病院が整備されていない事は不安であり、もしもの時は医療圏以外の病院に行かなければいけない事もありうる事なので、今後の医療圏に置いてのがんによる死亡者の減少と共に地域医療格差の解消を図る上でも早急にがん拠点病院の整備は求められている事でありますので以下の質問を致します。
1点目として、静岡県がん対策推進計画での対象期間は平成20年から平成24年までの5年間ですが、富士市に置いてのがん拠点病院の取組みはどのようになされているのでしょうか、
2点目として富士医療圏でのがん治療に対しての富士宮市立病院との連携はされているのでしょうか、また、拠点病院が無い中で他の医療圏との連携はあるのでしょうか
の2点をお伺いして、2項目目の少子化が進む中での幼児教育の現状と課題についてに移らせて頂きます。
幼稚園、保育所(以下保育園と言います)は小中学校のように義務教育ではありませんが、ほとんどの幼児が通っています。これまで幼稚園と保育園は、其々独自の普及・発展をしてきましたが、どちらも共通している事は、べビーブームが去った後、少子化が進む中では幼稚園・保育園にとっても園児減は深刻な問題となっていました。しかしながら、近年、就労支援が進む社会環境の変化に伴い、全国的に幼稚園の園児数が減り続けている中においても、保育園の園児数は上昇に転じ、待機児童が出るほど、保育園の園児数が多くなってきています。これは、いわゆる、保育園志向、幼稚園離れが表れ始めた事を示していると言えます。その中で富士市の22年の園児数は、私立幼稚園17園で3238名、市立幼稚園(私立と混同してしまうので以下公立を言います)11園1139名、私立保育園は14園1758名、公立保育園19園1806名、合わせて、幼稚園27園、4377名、保育園33園3564名、合計7941名が学んでいます。就学前の幼児は幼稚園と保育園に2極化していますが、それでも富士市では、幼稚園、特に私立幼稚園に通う園児が半数近く占める割合が多い状況を表しています。
平成17年に文科省の中央教育審議会において、「子供を取り巻く環境の変化を踏まえた今後の幼児教育の在り方について~子供の最善利益のために幼児教育を考える~」と題する答申がとりまとめられ、「幼児期は、生涯にわたる人間形成の基礎が培われる重要な時期であり、このような幼児期に行われる教育は子供の心身の健やかな成長を促す上で極めて重要な意義を要する」と言う認識に立って小学校就学前のすべての幼児に対する教育の在り方を提唱しています。これは、「家庭、地域社会、幼稚園、保育園等の施設の3者」を視野に入れた事が大きな特徴であり、幼稚園だけでは無く保育園も含め、幅広く幼児に対する教育機能を担う施設を「幼稚園施設」と捉えています。これにより、幼稚園と保育園はその目的や機能に違いはありますが、幼児教育と言う概念と範囲が広げられた事により、幼稚園と保育園は同じ幼児教育を担う施設であると言えるよう成ると共に、幼稚園と保育園は同じ幼児教育機能を担う事も明確化され始めた為に、どちらも地域子育て支援に取り組み

22年2月議会一般質問

1、救急需要の増加に対しての消防と医療の連携について
2、生物多様性と浮島ヶ原について
お許しを頂きましたので、私は先に通告している通りの2項目を質問させて頂きます。
まず1項目目の救急需要の増加に対しての消防と医療の連携についてですが、人の命にかかわる大切な富士市の救急医療体制については議会においても何度か取り上げられている事でもあります。本市においては、主に富士市救急医療センターが1次救急医療を担い、入院が必要となる重症患者さんに対しては、富士市立中央病院を初めとする2次救急医療機関が他の医療機関との連携を図りながら病状に応じた適切な救急医療を提供し、2次救急指定病院では対応できない重篤救急患者さんに対しては、県内7カ所に整備されている救命救急センター等の3次救急医療機関において高度な救急治療が実施されるとする1次・2次・3次の救急医療の連携する体制は理解しています。その中で富士市の場合、救急医療機関として、救急自動車を利用した場合、多くの患者は第2次医療機関へ搬送されます。119番による救急業務においては、患者とそこに居合わせる人と消防と医療機関の連携について、昨年、私の母が突然倒れた時に救急車を呼んだ際に経験して感じた事があります。それは、緊急を要する重症疾病者に対しては、なるべく早く医師の下へ届け適切な医療行為を受ける事は救急業務の効果を上げるために重要な事でありますが、その為には地理的に近い病院への搬送及び患者の的確な情報伝達は大切なカギとなると言う事であります。また、救急自動車の現場到着時間や病院までの搬送に迅速な対応は勿論ですが、重症度、緊急度により優先順位の必要性は求められることでもありました。早期の高度な医療処置が救命及び予後の改善に高い効果が期待される脳卒中、心筋梗塞、高エネルギー外傷に対して、特に脳卒中等の脳疾患、心筋梗塞等の心疾患についての緊急度及び重症度に応じた医療機関への早期確保は必要であります。
今後、高齢化の一層の進展や疾病構造の変化などに伴い、重症疾病者の救急需要の増加は避けられない事でもあり、受け入れ困難な事例の増加も想定される中では、住民の安全・安心のよりどころとしての更なる救急業務の一層の体制整備が望まれる事であります。しかしながら、救急搬送の受け皿である医療機関の充実は求められる事ではありますが、現在の医師不足が叫ばれる中では、市立病院においても急激な改善は困難な現状であると考えられます。そうした中で、消防法の改正により県では消防機関と医療機関の連携を推進する為の仕組みと円滑な救急搬送・受け入れ等のルールに関しての「救急搬送・受け入れの設置基準」の策定を取組み始めています。しかしながら、救急業務については、誰でもが突然遭遇する事があるかもしれない事柄でもあり、その時に、遭遇した人達が最善の対応ができるよう、市としても実態を十分に分析し、出来得る事柄は取り入れた中で、広域的な整備推進は重要かつ急務な事柄でと思われるので以下の質問を致します。
1点目として増加する救急需要に対しての救急・救助の概要は、どの様になっているのかとして
① 2次医療の搬送については原則、富士医療圏域で対応をなされ照会をして受け入れて貰っていると思いますが富士医療圏域以外への搬送状況はどのようになっているのか
② また、患者にとっては、救急車の到着は勿論ですが、医師による処置が一刻も早く求められる中では、救急連絡から医療機関まで到着時間はどのようになっているのか
③ 富士市医療圏においての市立病院を含め医療機関の受け入れ状況はどのようになっているのか
2点目として、地域での急性期病院の役割は市立病院に求められていますが、救急需要の増加への対応はどのようにされているのか、また、救急搬送及び受け入れに対しての問題点をどのように捉えているのか、
3点目として、消防においても、救急搬送についてどの様な対策が進められているのか、また、全国的な取り組みが検討されている救急時に対してのトリアージについてはどの様なお考えをお持ちか、
4点目として、救急時においていかに、関係する人達に患者情報の的確な情報伝達が必要でありますが、その伝達ツールとして患者情報を記入したカードを冷蔵庫に保管し、もしもの時には利用できるような仕組みとして救急時に有効な「救急医療情報キット」があります。すでに富士市でも、同様な事を先行的に大淵地区においては婦人会が中心となり安全カードとして着手していますが、市で行っている事ではありません。多くの自治体でも取り組み始めている救急医療情報キットの導入を市としても取り入れるべきと考えるが如何でしょうか、
についてを、お伺いいたします。

続いて2項目目の生物多様性と浮島ヶ原についてですが、生物多様性とは、簡単に言えば、人間も含め同じ種類の生き物の中にもそれぞれの個性があったり、地域に特有の様々な種類の生き物がいたり、さらに、森林や湿原、河川海岸など様々なタイプの自然がある事を言います。この生き物の多様性は人類の生存や存続の基盤となり、地域固有の財産として地域独自の文化の多様性を持ち支えている大切な事でもあります。この言葉を理解して頂いた上で、富士市は北に富士山を望み、南に駿河湾が面し、西には日本三大急流の1つでもある雄大な富士川、東には愛鷹山麓や広大な浮島ヶ原がある独特な自然環境や生態系があります。富士市に住む市民として、この素晴らしい環境を将来の世代に向け継承していく責務があります。しかし、工業の発達、生活の変化による開発や農業の衰退が進み、多大な環境へ負荷を与え生態系にも変化を与えてきている状態でもあります。また、近年では地球温暖化をはじめとする環境問題に直面しており、富士市においても環境の保全及び創造に関する施策を総合的に進める為に、平成14年2月に富士市環境基本計画が策定されており、「富士山の恵みを、みんなで守り、育て、ともにいきるまち」をテーマとして、それに従い、年次報告もされています。国内外においても数多くの野生生物が絶滅の危機に瀕している状況は、恐竜の絶滅以来の第6の大絶滅時代にあると言われています。しかも、1年間に約4万種と言われる現在の動植物の絶滅のスピードは、恐竜時代の絶滅速度より遥かに早い状態の生態系の変化は大きな問題として取り上げられており、国においては、生物多様性の保全と持続可能な利用に関わる国の施策目標と取り組みを定めた「第3次生物多様性国家戦略」が平成19年に閣議決定されました。また、平成20年6月施行の生物多様性基本法では、努力目標として「都道府県及び市町村は生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関する基本的な計画として、生物多様性地域戦略を定めなければならいない」と規定しています。本年は、国連が提唱する「国際生物多様性年」であり、国際的な枠組みを策定するCOP10(生物多様性条約第10回締約国会議)が名古屋で開催される事は、国内においても生物多様性に対しての節目の年でもあります。生物多様性については、富士市の計画の基本目標の一つとして、個別目標の中には「生き物を守ろう」と謳われていますが、基本的には生物多様性基本法が目指す目的と相違ないことから、環境基本計画改定にあたり、富士市も多様な生物を守り、その恩恵を持続的に利用する事を目的とする基本的な計画として、生物多様性基本計画に則り、生物多様性地域戦略の策定に先進的に取り組む事は必要な事であり、富士山が世界遺産への登録がされようとする中では、これからの生物多様性に向けた世論の高まりは国内外への情報発信にも繋がると考えられます。
また、自然環境の保全については、全国的にも珍しい動植物が生息する浮島ヶ原においては残さなければいけない大切な自然や景観があります。その湿原には、環境省レッドデータブックスに記載されている貴重な植物が分布し、特に保護すべき植物群落として提言されている場所でもありますが、開発や耕作放棄地等の土地利用により形態が変化してきています。浮島ヶ原は国土利用計画において、浮島ヶ原緑地保全ゾーンとしての位置付けでもあり、本年より保全公園としての浮島ヶ原自然公園の全面供用開始がされる他、貴重なトンボが生息する浮島釣り場公園の整備計画も進められています。生物多様性の考え方からしても、浮島ヶ原を始めとする市の他の地域においても人間の社会活動と自然環境が調和する地域づくりが重要であると考え以下の質問を致します。
1点目として長い年月をかけてようやく整備された保全公園としての浮島ヶ原自然公園が全面供用開始されますが、利用の仕方と管理運営はどう考えていますか
2点目として土地改良区を含む浮島ヶ原の現状をどの様に把握していますか
3点目として富士市としての生物多様性を保つ施策にどう取り組んでいますか、また、生物多様性地域戦略の策定に取り組むべきと考えますが如何でありますか
をお伺いして、以上、1回目の質問と致します。