22年9月議会一般質問

富士市立高校として変わる中での、富士市でのキャリア教育の在り方について

お許しを頂きましたので私は先に通告してある、「富士市立高校として変わる中での、富士市のキャリア教育の在り方について」を質問致します。

日本において従来から職業教育はありましたが、キャリア教育と言う言葉として、文部科学省が初めて使ったのは平成11年であり、これが推進されるようになったのは、ニートやフリーターの増加や就職後の早期離職など学校から職業への移行が深刻な課題として捉えられるようになってからであります。以来、キャリア教育は「子供達が仕事を通して社会に適応し、自分らしい人生を実現できる人材へと育つよう支援する教育」と言われる中、まず、厚生労働省・経済産業省が加わり、その後には農林水産省も加わった中で、様々のキャリア教育政策の展開が急速に進められてきました。今までには、文科省では各学校段階を通じた体系的なキャリア教育等の推進として、小・中・高で一貫したキャリア教育の指導内容・方法について地域ぐるみで48の地域で実践研究や、5日間以上の職場体験を209の地域で実施しており、厚労省では、中高生を対象に在学中に生徒か就業体験を通じて、自らの適性と職業の関わりを深く考える契機とする「ジュニアインターンシップ」や「キャリア探索プログラム」を実施してきました。また、平成17年度から3年間、経済産業省においては、子供達に対して働くことの面白さ、理解を促し、職業観の醸成を図る為に「地域自立・民間活用型キャリア教育プロジェクト」を28の地域で実施しています。平成20年に出された、学習指導要領等の改善についての答申によれば、「近年の産業、経済の構造的な変化や雇用の多様化、流動化等を背景として就職、進学を問わず子供達の進路をめぐる環境は多きく変化している。このような変化の中で将来子供達が直面するであろう様々な課題に柔軟にかつたくましく対応し、社会人、職業人として自立して行く為には、子供達が1人1人の勤労観、職業観を育てるキャリア教育を充実する必要がある」と強調すると共に、中学校においては子供達1人1人の勤労観、職業観を育てる為「職業体験や(学習)」等を重点的に推進して行く事などを求めています。また、社会変化が激しい状況下は、自分の将来に不安を感じ、夢や希望が持てなかったり「学ぶ意欲」や「働く意欲」に欠けたりするなど、基本的な生活習慣や自立した社会人・職業人として生きていく上で必要な資質や能力が十分に見についていない子供や若者が目立つようになり「学ぶこと」や「働くこと」「生きること」についてを考えさせ、「望ましい勤労観・職業観」をはじめ、「生きる力」と「夢」を育むキャリア教育が各方面から強く求められるようになりました。現在、様々なキャリア教育の取組みが全国では行われている中では、全市的に捉え、組織的一元的に進めている自治体も出現しています。
富士市でも、文科省の子供達に生きる力を身につけ、社会の激しい変化に流される事無く、それぞれが直面するであろう様々な課題に柔軟に対応しながら、社会人、職業人として自立できるようにすることとしているとするキャリア教育及び職業教育の必要性や意義は十分認識した上で、富士市内では、学校教育活動全体を通して、各校の実情に応じた形で、教育活動全体の中でそれぞれの教科等の目標やねらいを設定しながら、計画的、継続的にキャリア教育の推進に取り組んでいる事は平成20年9月議会においての青木議員の一般質問での教育長の答弁で理解はしています。しかし、キャリア教育及び職業教育が全国的に実践されている中では、小、中学校だけでは無く、キャリア教育の在り方として、どの学校においても児童・生徒一人一人の勤労観、職業観を育てていく為に、子供達の発達段階に応じた体系的キャリア教育の在り方やキャリア教育の為の様々な連携の在り方は、富士市においてはまだまだ課題もあると考えられ、既に条件整備を整え取り組んでいる先進的自治体に比べると富士市の場合、更なる充実や改善が求められ始めています。その中で特に富士市でも、今後、キャリア教育を推進する上での方策として、生徒が求める様々な職種の職業講話の実施や職場体験・インターンシップを行っていく事に対してもですが、講師の選択を広げたり、受け入れる企業等と生徒のずれが生じない様に学校と企業等のしっかりとした橋渡し役は重要になってきています。また、様々のキャリア教育を進める支援プログラムの提供や開発は大切であり、今の先生だけでの対応では難しく、先生以外の専従の教育コーディネーターの存在は必要となってきています。その上で、キャリア教育を進めていくには、国の各省庁の政策を総合的人材対策として強化して行く進め方においてもですが、先進的に進めている事例を参考にする中では、教育、産業、雇用との連携は不可欠である事は確認されており、自治体での行政対応としては教育委員会だけでは対応しきれない事は言うまでもありません。
来年、商業高校は富士市立高校と変わる中で、富士市立高校は既存の高校に見られない固有の存在を示す「高校教育界のチャレンジャー」となり、10年後には「高校教育界のリーダー」となる事を宣言しています。その新しい高校、新しい教育のコンセプトとして、キャリア教育の一貫校としてキャリア教育を先進的に取り組む事が発表されています。先日の学校説明会においても、キャリア教育を通じて、夢を実現できる力をつけさせてくれる可能性についても話されていましたが、今まではとはちがう先進的な取り組みがなされる事は伺えます。その大きく変わる富士市立高校の目玉の一つのキャリア教育には大きな期待もありますが、それと同時に、これを機会に小・中・高においてのキャリア教育の取組みを更に充実させるチャンスとして、富士市として、市立高校を基軸としたキャリア教育の体系的組織的充実を図らなければいけないと考え以下の質問を致します。
1点目として、富士市でもキャリア教育を推進してきていますが、現状と課題は、
2点目として、体系的に進めていく上での小・中・高の連携はどの様になっているのか
3点目として、地域(企業・団体・市民)への理解促進と共にコーディネーターの存在や育成が求められる中では、協議会等の設立は急務と考えるがどの様な検討がなされているのか、
4点目として「新しい高校 新しい教育 新しい未来」とパンフレットに謳っている富士市立高校では、夢を実現できる力としての先進的キャリア教育を具体的にどのように進めていくのか、その上で、
ア、 職場体験やインターンシップはどの様に進めていくのか、
イ、 地域と企業を学校と結び付ける推進体制の整備が求められるが進められているのか
5点目として、市長にお伺いしますが、まちづくりは人づくりと言われます。キャリア教育の本質を考えた中で、10年、20年先の将来の人材育成は基より、産業支援としての雇用確保、就労の促進にも繋がるキャリア教育について、どの様な認識とお考えが有るのか
をお伺い致しまして、一回目の質問と致します。