1、 富士医療圏おける「がん診療連携拠点病院」の整備について
2、 少子化が進む中での幼児教育の現状と課題について
お許しを頂きましたので私は先に通告している2項目について質問をいたします。
まず1項目目として、富士医療圏における「がん診療連携拠点病院」の整備についてですが、がんは日本人の死因1位です。現在、がんで命を落とす人が34万人を超えてしまい、2人に1人ががんに成る時代の中で、日頃から健康に気をつけている人であっても誰もが、がんに成る可能性があります。実際、家族や親戚、知人を含めがんと無縁でいられる方はむしろ少ないと言えると思います。静岡県においても昭和57年に死因の第1位に成って以降現在も増加し続け、平成18年の県内におけるがんによる死亡者は9364名です。富士市でも、全死亡者数の3割ががんで無くなっています。
国会議員の故・山本孝史参議院議員が自らのがんを告白する事で成立したがん対策を総合的に進める法律としての「がん対策基本法」が施行されてから3年がたちました。この法律は、それまで、日本の医療水準は世界的に見ても高いとされていますが、がん対策については、まだまだ課題が多く、例えばがんを取り除く技術は発達していますが、放射線療法や化学療法は不十分であり、痛みを抑える緩和ケアも十分普及していない事や、がん患者を登録して治療成績等を追跡するシステムも先進国の中では遅れている等の指摘がありましたが、がん対策基本法によって、これらの課題を克服し、日本全国どこにいても良質な医療を受けられる環境の整備を目的として施行されました。そのがん対策基本法に基づき国民がどこでも高度で専門的ながん医療を受ける事ができる「がん医療の均てん化」を推進する為に、一定の要件を満たす「がん診療連携拠点病院(以下がん拠点病院)」を概ね2次医療圏ごとに一か所整備する方針を示されています。がん拠点病院は、厚労省で平成13年に制度化されて以来、全国で375の医療機関が指定を受けており、静岡県でも平成14年に県立がんセンターを開院し、高度ながん医療を提供するとともに地域ごとにがん医療の連携体制を構築しながら、11の拠点病院が地域のがん医療実践の為に活動をしています。また、どの地域でも高度な専門的ながん医療を県民に提供できる「がん医療の均てん化」を目指す為に、平成19年に静岡県がん対策推進計画が策定されました。その中でも県は、県民がどこでも適切ながん医療をうける事ができる、「がん医療の均てん化」を図る為に静岡県保健医療計画との整合性を保ちながら国が指定する、医療圏毎のがん拠点病院の整備を推進する事が示されています。
しかし、富士市を含む、2次医療圏域には、富士市立中央病院と富士宮市立病院が県の「静岡県地域がん診療連携推進病院」にされてはいるものの、未だ、がん拠点病院は存在しません。富士医療圏に住む市民にとっては、身近な所にがん拠点病院が整備されていない事は不安であり、もしもの時は医療圏以外の病院に行かなければいけない事もありうる事なので、今後の医療圏に置いてのがんによる死亡者の減少と共に地域医療格差の解消を図る上でも早急にがん拠点病院の整備は求められている事でありますので以下の質問を致します。
1点目として、静岡県がん対策推進計画での対象期間は平成20年から平成24年までの5年間ですが、富士市に置いてのがん拠点病院の取組みはどのようになされているのでしょうか、
2点目として富士医療圏でのがん治療に対しての富士宮市立病院との連携はされているのでしょうか、また、拠点病院が無い中で他の医療圏との連携はあるのでしょうか
の2点をお伺いして、2項目目の少子化が進む中での幼児教育の現状と課題についてに移らせて頂きます。
幼稚園、保育所(以下保育園と言います)は小中学校のように義務教育ではありませんが、ほとんどの幼児が通っています。これまで幼稚園と保育園は、其々独自の普及・発展をしてきましたが、どちらも共通している事は、べビーブームが去った後、少子化が進む中では幼稚園・保育園にとっても園児減は深刻な問題となっていました。しかしながら、近年、就労支援が進む社会環境の変化に伴い、全国的に幼稚園の園児数が減り続けている中においても、保育園の園児数は上昇に転じ、待機児童が出るほど、保育園の園児数が多くなってきています。これは、いわゆる、保育園志向、幼稚園離れが表れ始めた事を示していると言えます。その中で富士市の22年の園児数は、私立幼稚園17園で3238名、市立幼稚園(私立と混同してしまうので以下公立を言います)11園1139名、私立保育園は14園1758名、公立保育園19園1806名、合わせて、幼稚園27園、4377名、保育園33園3564名、合計7941名が学んでいます。就学前の幼児は幼稚園と保育園に2極化していますが、それでも富士市では、幼稚園、特に私立幼稚園に通う園児が半数近く占める割合が多い状況を表しています。
平成17年に文科省の中央教育審議会において、「子供を取り巻く環境の変化を踏まえた今後の幼児教育の在り方について~子供の最善利益のために幼児教育を考える~」と題する答申がとりまとめられ、「幼児期は、生涯にわたる人間形成の基礎が培われる重要な時期であり、このような幼児期に行われる教育は子供の心身の健やかな成長を促す上で極めて重要な意義を要する」と言う認識に立って小学校就学前のすべての幼児に対する教育の在り方を提唱しています。これは、「家庭、地域社会、幼稚園、保育園等の施設の3者」を視野に入れた事が大きな特徴であり、幼稚園だけでは無く保育園も含め、幅広く幼児に対する教育機能を担う施設を「幼稚園施設」と捉えています。これにより、幼稚園と保育園はその目的や機能に違いはありますが、幼児教育と言う概念と範囲が広げられた事により、幼稚園と保育園は同じ幼児教育を担う施設であると言えるよう成ると共に、幼稚園と保育園は同じ幼児教育機能を担う事も明確化され始めた為に、どちらも地域子育て支援に取り組み