全国学力テスト問題を考える。

川勝知事が9日の定例記者会見で平成25年度の全国学力テストで県内公立小学校の国語Aの成績が全国最下位だった結果を受け、成績が悪かった100校の校長名を公表したいとの意向を示した問題を巡った県教育長との17日行われた協議がテレビ等で大きく報道されました。

県教育長は、知事に校長名を非公表の要請をしながら学校別データを示しましたが、知事は条件付きの提供は意味がないとデータを突き返し、改めて校長名の公表を示しました。ただ、テレビを見ていた私は知事と教育長の平行線には違和感を感じずにはいられませんでした。知事の言う学力テストは教師のテストと言うのも分かりやすい説明でありますが、本来、全国学力テストを実施する理由としては、児童生徒の学力・学習状況を調べ教育、教育施策の成果と課題を明らかにすることが全国学力テストの目標であり、あくまで教育、教育施策改善の為の情報収集であります。順番に拘る事により、高得点をとるための競争が助長されることは懸念されていた事であり、かって40年前に学力テストを実施した時に経験済みの事であります。今回行った学力テストの求めている事が競争社会なら、学校は得点力アップの為だけに力を入れ始め、児童生徒の学力は狭くて底の浅いものになる可能性は強くなると考えます。知事が言う教師のテストと位置づけるならば、生徒を利用せずに、学校と校長は違うという詭弁ではなく教師の学力テストに変えるべきことである思いますが・・・以前、大阪の橋本市長が知事の時に、教育委員会を強烈に批判したことがありましたが、結果が悪いのは教師の責任だという事は一般受けしやすいのかもしれません。ただ、学校別データが知事に渡っていない状況は不自然でもあり、報道がはいっているところでやり取りは、力を合わせ教育行政を進めて貰いたい県民の立場としては不安を感じます。その意味では早期解決はしてもらいたいです。
現時点で県で最も重要な事は危機感を持って全国学力テストのデータを徹底的に分析する事である思っています。例えば、教育学者、社会学者、心理学者等からなる専門家集団の分析チームを立ち上げて集中的な分析作業を行い、それとは別に各自治体ごとでは検討委員会をつくり、調査結果を徹底的に精査し其々の教育施策に反映させなければいけなく、それに伴う充分な予算措置をとらなければいけないことであります。今回の結果は結果として真摯に受け止め、公表する影響が大きいのならば、求めるのはやはり、全ての児童生徒の基礎学力を支えると言う公立学校の基本的使命の確立である事を忘れてはいけないと感じます。
富士市では「全国学力、学習状況調査結果検討委員会」が設けられており、検討委員会が10月11月と開催されるようです。その内容のの公表はしてもらいたいです。実は全国学力テストの対応と教育水準の向上を求めて9月一般質問で取り上げようと考えていましたが、会派の先輩議員が質問するので遠慮しました。
学力テスト問題を考えた時、今後、競争原理を持ち込む結果になるなら全国学力テストはやらない方が良いです。学力テストに使う60億のお金を、教育環境整備に回すと共に、私は、日本の教育の強化として、日本の歴史、神話を教えたり、人間形成に必要な道徳教育に力を入れるべきであると強く思っています。
「教育を取り戻す」と言う安倍総理もそうであってもらいたいと思います。