「学校現場におけるうつ病」

うつ病とは、日常的なストレスからくる悲しみ、不安、ゆううつな気分の心の状態を指し、いつまでも回復せず日常生活に支障をきたしてしまう病気です。日本での統計患者数は630万人から1670万人と言われています。

先日、心のネットワークで開催した聖マリアンナ医科大学神経精神科の長田賢一准教授による「学校現場におけるうつ病」の講演を聞きました。

その中で、「こころの病気を学ぶ授業」共同開発プロジェクトとして、中学生のメンタルヘルスの現状と課題、及び学校現場でのメンタルヘルス教育の現状と課題を把握することを目的に、2008年11月〜12月、首都圏の公立中学校を対象に、「こころの病気を学ぶ授業プログラムの開発に関する調査研究」を実施した結果が説明されました。(調査対象 507校、うち有効回答163 校)。
【中学生のメンタルヘルスの実態】
① こころの健康状態に問題を持つ生徒がいると回答した中学校は全体の98.7%
② 精神医療専門機関を受診する生徒がいる学校83.9%、うつ病の生徒がいる学校37.3%
③ 半数以上(53.1%)の学校で、心の健康状態に問題を持つ生徒が「増えている」
④ 半数近く(46.5%)の回答者が「過去3年間に自殺の悩みを相談された」経験がある
【メンタルヘルス教育の実施状況】
⑤ 「こころの病気」を扱う授業を実施している学校は3割(30.4%)にとどまる
⑥ 8割以上(82.6%)が「こころの病気」を学校の授業で扱う必要性を認識。  
とりあげたい疾患は、「薬物依存症」、「うつ病」、「摂食障害」、「アルコール依存症」。
⑦うつ病ついて教える知識や情報が無い、どう教えたらいいのか分からない
⑧うつ病で取り上げたい内容は予防法、授業に必要なものは映像教材等
(うつはホルモンの関係で女性の方が多い、基本的には治る心の風邪としていましたが・・)

こころの健康状態に問題を持つ生徒が98,7%には驚きました。
富士市の数字と比較しながらの説明でもありましたが、健康対策課での資料は確認するつもりでいます。
うつ病は精神的な疾患としては医療的な対応だと思いますが、教育現場においての調査実態を考えると、いじめや自殺等の関連からも学校現場においても「こころの健康の対応」は大きな課題でもあると感じました。