「景観とは何?」
と改めて聞かれるとどの様に応えていいのか戸惑います。
県の第4回景観講習会において、「道から眺める魅力的な空間づくり」と題した講演を聞いて分かりました。
講師の堀繁氏は東京大学アジア生物資源環境センター教授で、景観とはあまり関係の無い分野の先生であると思っていましが、専門は景観デザイン、景観工学、景観設計思想史、地域計画であり、国土審議会専門委員、歴史的風土記専門委員等各専門委員の他建設省「道路環境計画」農水省「日本の美しい村景観コンテスト」水産庁「美しい漁村作り」環境庁「日本の音風景100選」国土庁「地方振興策に関する検討」日本道路公団「高速道路景観整備マニュアル」など国、公団、地方公共団体の各座長、委員を歴任するその筋ではかなり有名な多忙な先生でもあります。県内ではなかなか話を聞く事ができない、貴重な先生の講演と言う事もあって、沼津の市立図書館での4階会場には、行政職員を始めとする多くの人が集まり会場一杯の聴講者で埋め尽くされました。
堀先生の話は、会場の人達を巻き込んだ中で画像の話術がぴったり合い、分かりにくい事を分かりやすく説明してくれました。
と言う訳で最初の、「景観とは何か?」と言う事については、
「景観とは? 目で見る事。
(物である事と見える事は全く違う事、物が景観ではない。街並み景観と街並みの違い)
景観とは? 見で見る事で得られる視覚像
(目で見ている範囲は60度)
景観とは? 視点から見る事・視方向の立ち上がりである。
(見ている場所、状況が景観の良否に強く影響する)
良い景観とは、見たい物が(理解の手掛かりが見やすい状態)見やすい状態になっている事、それは、①他の物に邪魔されない②見やすい大きさが重要である。」
景観の良し悪しは感性や好みで成り立っていると思いましたが、景観は理屈であり、景観は論理の構造に成り立っていると言う事が良く分かりました。
その後の道路のホスピタリティ表現方法と道の駅の魅力的な空間作りなど勉強になる事が多かったのですが、景観とは何か?と言う事が分かった事が一番の収穫でもありました。
(フクロウの形をした図書館)
講演の内容は素晴らしかったのですが、沼津市立図書館の駐車場は有料で4時間停めて、30分無料ではあったものの1050円取られました。
市の施設での講演会であったのですが、しっかりお金を取られたの事には、もう少し優遇措置があってもいいような気がしました。