スローフード宣言都市・気仙沼

 

 

 日本で唯一の「スローフード」宣言都市であるふかひれで有名な宮城県気仙沼市へ視察してきました。


 気仙沼市は宮城県の北東端に位置し、東は太平洋に面し、南は南三陸町、西は登米市、岩手県一関市、藤沢町、北は岩手県越前高田市に接しています。太平洋に面している三方を海に臨む半島や複雑な入り江等、素晴らしい景観を有するリアス式海岸となっており、そのリアス式海岸は陸中海岸国立公園及び海中公園の指定を受けています。

人口は7万5千人で水産業は全国6位、カツオの水揚げ量とふかひれの生産は日本一の全国有数の漁業のまちであります。昭和61年には「「魚食健康都市」を宣言するなど食に対しての取り組みを早くからしており、平成13年に「食のまちづくり協議会」が設立され、平成15年には今回の視察目的である、「気仙沼スローフード」都市宣言をし、合併に伴い改めて平成18年に新市として「気仙沼スローフード」都市宣言を行いました。
 現在、気仙沼が取り組んでいるスローフード運動は、料理そのものだけに関心を持つのではなく、自然から私達の口に運ばれるまでの過程についても思いを巡らし、生活の中で育まれてきた食を次世代に伝え、個性的で魅力あるまちであり続ける為の取り組みだそうです。スローフードと言うと誤解されがちですが、ファーストフード全体を否定する事でなく、ゆっくり食べる事やグルメの事でもなく、またスローフードと言う特定食べ物(郷土料理)やメニューではないと言う正しい理解をして頂いた上で、スローフードの4つのポイントは、
1、おいしく食べる。おいしく提供する
2、食べる選択肢を増やす
3、食材に旅をさせるのではなく、人が旅をする
4、食を通した世代間の交流をはかる
としております。それに則り、スローフード運動として、食を核にしたまちづくりが官民協働で展開されています。その為にもまずは地元の人たちが地域豊かさに気づかなければ外部の人(お客様)に伝える事は出来ないとし、来訪者にきちんと説明、発信ができるよう食のまちづくりフォーラムや食による教育としてプチシェフコンテストを行い、徹底した意識啓発を進めています。

スローフードの本質としては、食を通して自然や暮らしを考え、食がつなぐ人と人、人の自然な度あらゆる関係や地域の姿を改めて見つめ直す事と言い換える事が出来、こうした考え方やそれに基づく活動の積み重ねが自分達の住む地域の魅力の発見、地域資源を活用したまちづくりにつながるとしておりましたが、持続可能なまちづくりを進めていく上で、今後の課題としては、スローフード運動の終着点をどういう処に置くかはまだ、模索中であると説明をしてくれた企画部企画政策課の赤川課長は言っていました。
(シャークミュージアム)(シャークケージに入っての撮影)(凍った魚の展示)

 その後、市場と隣接したリアスシャークミュージアムとマイナス25度の冷凍博物館も見学してきました。
 気仙沼の特産品ランキングは、1位生鮮さんま、2位生鮮カツオ、3位サメ・フカヒレ、4位マグロ、5位カキ、6位ホヤ、7位イカの塩辛、8位わかめ・めかぶ、9位ホタテ10位アワビですべて海の幸でした。聞いているだけでお腹がへってきましたが、今回の視察は気仙沼市の水産業の豊富な資源を活かしたまちづくりではあるものの、富士市においても、食育は進められており、食でのまちおこし(しらす、おむすび計画、つけナポリタン、ひらひら鍋)や公設市場建設もあり、地産地消を活かした食への考え方は非常に勉強になりました。