田原市風力発電所

 今回、視察に出かけた中の一つの愛知県田原市は、日本のほぼ中央、愛知県の最南端に位置し、北は風光明媚な三河湾、南は雄大な太平洋に面し、東は豊橋市に接し、西は、伊勢志摩を挑みます。古くは農業が中心として栄えてきましたが、昭和40年代から東三河臨海工業地帯の造成が始められ、現在までに、約1000ヘクタールが完成した工業用地には、トヨタ自動車をはじめとする多くの企業が進出し、その後は活力ある産業の町として飛躍的に発展しました。また、近年は、国際交流や福祉、教育、環境保全、の各分野で先進的な取り組みを実施しています。

 電車に乗っていると、大きな風車が回っているのが見えました。ゴミの炭素化事業に取り組む「炭生館」を視察に来たのですが、なんでこんなに風車があるのか気になりました。聞いてみると、田原市は、風力発電所があることでも有名だそうです。美半島に位置する田原市はお互いの凧糸を切りあう「けんか凧」でも知られるほど日本有数の風の強い地域だそうで、風に恵まれた田原市の中でも、三河港臨海田原地区は年間平均風速が6.6M/Sと強い上、風の乱れが少なく、風力発電に適した風が吹いていることが確認されています。
  視察に訪れた、「炭生館」の隣接地にも風力発電所があり、大きなプロペラが回っていました。近くで見ると予想以上に大きく、プロペラまで入れると地上から121メートルもあり、ビルの24階建てに相当するそうです。田原リサイクルセンター風力発電所として、地球温暖化対策の一環を担い、ごみ炭化施設の消費電力を風力発電によって賄っています。具体的には、風力発電で電気を作り、作った電力を中部電力に売り「炭生館」で使う分の電力を中部電力より購入しなおしています。風は無尽蔵な自然エネルギーで二酸化炭素を排出しない環境負荷の少ないクリーンエネルギーの風力発電と循環型社会を目指した最新鋭のごみ炭化施設を組み合わせることにより、環境共生まちづくりである「たはらエコ・ガーデンシティ構想」の実現に向けて寄与しています。
 風力発電のメリットは、発電量当たりの温室効果ガス排出量は微量で、風力エネルギーの約40%の電気エネルギーに変換できる点です。田原市においても湾岸部を中心に27基(300KW以上)もの風力発電が立ち並び、全国でも有数のウインドファームを形成しており、これらの風力発電から発生する電力量は市内全世帯が消費する電力量を上回っています。
 また、風車のある風景は、新たな地域のシンボルとなり、町おこしにも一役担っているそうです。 

 視察目的の「炭生館」に行く前に、どうしても気になり、風力発電所の大きな風車に足止めとなり、レクチャを受けてしまいました。
 地球温暖化は深刻な問題です。風力発電は期待されている一つですが、富士市において、お茶畑で扇風機が回っていますが、風力発電に利用できないんでしょうか?