30年11月定例会一般質問

 

議会登壇用文章
1.策定中の富士市生物多様性地域戦略について

2、トンボ生息調査が行われた浮島沼つり場公園内の赤どぶ池の適切な整備管理について

お許しを頂きましたので先に通告しています2項目について質問を致します。
まず1項目目の策定中の富士市生物多様性地域戦略についてですが、生物多様性の損失は地球規模での喫緊の課題となっています。この事は以前にも議会で取り上げましたが現在、開発や過剰な利用、外来種の持ち込みなど人間の活動によって、生物多様性が危惧にさらされておリこれまでのおよそ1000倍の速さで生物が絶滅していると言われています。その危機が急激に大きなものとなったのは、20世紀以降の100年間ですが、現代に起きている種の絶滅、生物多様性の喪失が、過去の大絶滅と決定的に違うのは、生物が絶滅するスピードが圧倒的に速い、という点でありますので、この世界で起きている生物多様性の喪失が、きわめて大規模で、深刻な状況であると言えます。国では「生物多様性国家戦略」を策定しましたが、静岡県においても県の生物多様性を保全、継承するための指針となる生物多様性地域戦略を策定し、今年の3月に公表されました。富士市は南に駿河湾、北に富士山、東には愛鷹山、浮島ヶ原、西には富士川河口があり、非常に多様性に富んだ自然環境を有しています。この豊かな生態系を営む自然環境も地球温暖化などの気候変動や人の活動によりその生態系の多様性が失われつつあります。富士市東部の身近の現状でも多くの生態系の変化に対しての問題があり、市が管理する浮島ケ原自然公園での平成27年に天然記念物に指定されたサワトラノオを含める希少植物の適切な管理や浮島沼つり場公園の静岡県東部ではここにしか生息しないチョウトンボ等のトンボの保全も求められます。富士市でも本年度より2年かけて将来に渡り豊かな生物多様性を引き継ぐため、本市固有の生態系や動植物の特性を踏まえての富士市独自の生物多様性地域戦略の策定が進められていますので、地域の問題も含め期待はしたく以下質問を致します

  1. 富士市においての希少な動植物の保全や外来生物の駆除についてはどのように考えているのでしょうか、また具体的な対応や取り組みはどのようなものでしょうか
  2. 生物多様性への対応が求められる中で、現在進められている富士市生物多様性地域戦略についての策定状況を伺います。

次に2項目目のトンボ生息調査が行われた浮島沼つり場公園内の赤どぶ池の適切な整備管理についてですが

生物多様性の観点からも優良な田園風景が広がる浮島ヶ原の原風景や自然の保護は求められることですが、農業を始め多くの事で、外来種による影響を受けており、富士市が管理する浮島ヶ原自然公園や浮島沼つり場公園内の赤どぶ池においても保全すべき動植物の生態系が脅かされています。浮島ヶ原自然公園においては既に自然公園としての管理計画に則り外来種の駆除も含めた対応が行われていますが、平成20年に浮島沼つり場公園内の赤どぶ池を整備するにあたって周辺調査をした際にチョウトンボをはじめとする3科12種の希少なトンボが多く生息する生息地として評価されて、保全の指定をされました。しかしながら、管理計画もなく適切な整備管理も示されていない不十分な状況であります。ここ何年かは、何者かに持ち込まれた外来種である園芸用のハス等に池全体が覆われてしまい、トンボの生態系に大きなダメージを与えている事が指摘されてきました。その問題についても早急な対応が必要と議会でも取り上げましたが、平成27年度より常葉大学に依頼して3年間トンボの生息調査をした上で対応をしていく事が示されていました。既に3年経ち調査結果の報告書も出されていますが、その結果を踏まえての根本的な対応が求められます。その上で、策定中の富士市生物多様性地域戦略が期待されますが、生態系の変化が著しい浮島沼つり場公園でのトンボの生息環境の対応は待ったなしの状態であると思われます。 3年前より地域が関わった中で整備への取り組みは少しづつではありますが進み始めています。しかしながら、浮島沼つり場公園は名前の通り、つり場として知られてはいますが、希少なトンボがいる公園としてはほとんど知られてはいません。 浮島沼つり場公園内には、希少なトンボがいる赤どぶ池がある以上、トンボを保全する公園として専門家の意見を入れながら地域を交えての環境整備を進めるべきであり、早期に整備管理計画等も必要であると思われますので以下質問をいたします

  1. 希少なトンボが生息する事が判明してから浮島沼つり場公園の整備管理についてはどのように進められてきたのでしょうか
  2. 赤どぶ池に外来種であるハスが覆い初めてから、トンボの生息調査が3年間行われましたがどのような結果であったでしょうか、また、報告書に基づいた取り組みはどのようなものでしょうか
  3. 生物多様性の観点からも早期に整備計画を立てての赤どぶ池の管理は求められますがいかでしょうか
  4. 整備後は赤どぶ池も専門家を交えて地域や団体等と協働によるトンボの環境保全活動に取り組み、浮島ケ原自然公園と連携しながら環境教育の場としての利用や自然観察会等を積極的に取り組んではいかがでしょうか
  5. 浮島沼つり場公園は釣りをするだけの公園ではありませんので、希少なトンボが生息する富士山がきれいに見える公園としてわかるような発信や活用は必要で、その点も含め、例えば名称も浮島沼つり場トンボ公園とした方が良いのではないのでしょうか

以上2項目について1回目の質問と致します。