会社は倒産する。

 

 2009年4月の企業倒産件数1169件と11か月連続前年同月比を上回っています
 35年以上にわたり300社会社を直接指導し赤字企業の業績を回復させてきた企業再建の「名外科医」として知られるコンサルタントの井上和弘氏の講演を聞いてきました。

会場に入る前にインパクトの強い「だからあなたの会社は倒産する」という著書を渡され、それを資料にしながら話は進められていきました。著書の中には
「経営不況というものはつきものである。厳しい冬の季節は必ず廻ってくる。来るべき不況を予想しながら慎重に進む人と自分は大丈夫だと思っているノー天気な人とは経営に雲泥の差が生じる。予想をもとに、経営手法を見直しダイナミックな軌道修正をすればよい、と思うのだが、対策が遅れるかぐずぐずして手を打たないでいる経営者も少なくない」
判っていても手を打たない人も多く倒産してしまうという事例も多いのですが、会社というものは壊れやすいようにできているとし、大阪の船場の商人でよく言われている言葉で
「でんぼ(おでき)と商売は同じ、大きなものは潰れる」
「屏風と商売は同じ、広げたら倒れる」
「扇子商法で行かなきゃ。広げる事も簡単、閉じる事も簡単にしとけ」
しかしながら、先人たちの知恵を知っていても破綻していく会社は多いのが現実であります。
 井上氏は生き残るためには「たため、削れ、変えろ」と話し、すべての倒産の原因は借り過ぎであるとしながら、キーワードのオフバランスの重要性を説いていましたオフバランスとは、オフバランスシートのことで、バランスシート(貸借対照表)に載らない状態の事です。オフバランス化として資産と負債を圧縮すれば、資産が健全化されて、資産効率もよくなる。一番簡単なオフバランス化は、その資産を売却してしまうこと。オフバランス化の方法としては、債権、不動産などについては、証券化して投資家に売却するというスキームもあります。要するに会社の中の含み損を吐き出すという事です。
 会社経営について勉強になりました。私は議員ではありますが経営的感覚は持ちたいと思っています。
 多くの企業が今の時代を乗り切る為の努力をしています。
井上氏は最後に「この不況を生き残ればよい事がある。それはライバルがつぶれる。」と言っていました。

講演後のアトラクションでは、ゴスペルのショータイムがあり、研修中の重苦しい雰囲気も変わり、素晴らしい歌声を堪能でき大変良い講演会でもありました。