「住みよい環境・住みよいまち」

 建築に伴う紛争を未然に防ぎ、みんなで住みよい環境を目指すために、大阪の豊中市では、「豊中市中高層建築物等建築等に関わる紛争の予防及び調整等に関する条例」について制定されているので、富士市の参考にすべく視察をしてきました。

 富士市においても昨年、米ノ宮神社町の社保庁のペアーレ富士の跡地に高層マンションが建つ計画が出、問題とはなりましたが、現在建設がすすんでいます。
と言うのも、この地区はまちづくりの地区計画によると建築物の制限が条例化されており、なおかつ、低層低密な住宅地としてゆとりある閑静な住宅地を目指す地区と言う位置づけがされていました。この地区に住む人は、誰もが高層マンションが建つとは考えてはおらず、ペアーレ富士の跡地が競売により大手マンションデベロッパーが手に入れた後のマンション建設を聞いてなぜ建設できるのかと言う事で、問題が起こりました。結局、地区計画には歌ってはあるもの、土地利用としての建築基準法においては中高層のマンションが建設可能であり、法的規制がない為に、マンション建設が進んでしまいました。議会においても、陳情があり、建設水道委員会でも行政が、業者に対して住民とのしっかりした話し合いをした上での解決を求めましたが、法的根拠がないので十分な住民の納得のいくような形には進みませんでした。

 現在、建設されてはいるものの、今後、富士市でも同じような問題が起こると考えられるので、豊中市で行われている、近隣の住環境に及ぼす影響が大きい中高層建築物、パチンコ屋さん等の特定用途建築物及びワンルームマンションを計画、建築する場合には、近隣の住環境に及ぼす影響を低減するための配慮事項や紛争を予防するために手続き、また、紛争が生じた場合には紛争の早期解決を図る為の「あっせん」及び「調停」を設けた条例を制定している豊中市へ行ってきた訳です。
(出迎えてくれた大町議長)(条例のパンフ)

 しかしながら、この条例では、建築規模や用途により近隣関係住民への事前説明を行うよう定めていますが、近隣住民の同意まで義務付けていません。というのも法令では、建築基準関係規定に適合する計画では確認がおりれば建築することができる事になっており、法令でできることは、条例で同意がなければできないという規定は無理があるとされているからです。ですから、十分な話し合いや相談窓口としては作用してはいるもの建築させないという事は困難であるとしています。更なる研究をした上で改善をしていく考えは述べられていましたが、建築基準法での、法規制ができない中では、地区計画や景観計画等で厳しい規制をしていく必要性はあるとしていました。
 いずれにしても、自由主義の社会において、生き残るための民間業者も法の目を抜けた解釈をいかにしていくかも研究しているために、行政においても住民が求める「住みよい環境・住みよいまち」を維持して行く上でも、住民側に立ち頑張って頂かなければと思っています。

 

 今回、説明してくれた、豊中のまちづくり推進部中高層建築調整室の木下主幹は、住民と業者の話し合いの修羅場を数多くくぐってきたのか、熱い語りはかなりの熱血漢であると感じ頼もしく思えました。