エコアイランド直島

今回視察で訪問した、香川県の直島は、岡山と香川に位置する瀬戸内海に浮かぶ、面積は8平方キロメートルほどで人口は3500人という小さな島でした。

「直島」という地名の由来は、平安時代の保元の乱までさかのぼり、この乱で敗れた崇徳上皇が讃岐へ配流される途中、この島に立ち寄った際に、島民たちの素朴さに心をうたれ直島と命名したといいます。海運、漁業、製塩などを中心に栄えてきた島でもあります。
現在の直島は、大きく分けて、2つのゾーンに分けられており、北側には、三菱マテリアル直島精錬所と中間処理施設の直島環境センターがある環境保全施設と南側にはベネッセが運営するベネッセハウス、地中美術館、家プジェクトと文化施設であるベネッセアートサイトが展開されている、環境と文化と自然が融合された状態でもあります。
(カーフェリーの上で)(施設前にて)(施設の概要説明)

 直島の環境センターが建設された経緯は、昭和50年代後半にミミズの養殖という名目で産廃の許可をとった処理業者が直島のお隣にある豊島で、シュレッダーダストや廃油、汚泥の産廃を搬入し、野焼や不法投棄を続け、強制調査を受け、公害紛争に発展しました。これが、豊島問題で、その後、この負の遺産としての膨大な産廃を県を挙げて、解決に向けて着手し、現在は、直島において住民合意の基、中間処理施設を建設し、豊島の産廃をカーフェリーで運び、1日200トン年間300日の操業で6万トンの処理をしています。また、溶媒処理により発生する飛灰については、隣接する三菱マテリアルで有価金属として回収し、スラグについては、県の公共事業にコンクリートよう骨材等の土木材料として再利用されています。
(スラグのサンプル)(製品化されたスラグ)(擂鉢式溶鉱炉のモデル)

また、心配されるダイオキシン等にも厳しい基準値を設置し、住民は基より、誰でもが情報を共有できるよう公開されており、人々の監視の下、徹底的な管理がなされています。
(搬入口) (厳しい基準値を示すボード)(ダイオキシンの検査所)

あくまでも、最終処分場ではなく、廃棄物を抑制し適正に処分をする循環型施設として直島の環境産業として環境調和にも配慮したまちづくりを進めている為に、エコアイランド直島とも呼ばれています。
 富士市において迷惑施設であるごみの焼却場建設も住民合意が条件の基、進められてはいるものの、合意形成が難航し未だ進展はしておらず、大きな課題ともなっています。今回の視察においても、少しでも多くの事例を参考にした中で、より良い形として活かすことができないか、一つのモデルとして勉強をしてきました。