老人ホームとは、一般的に高齢者が入居する施設を指しますが、日本の法律上、これに該当するものは、有料老人ホームと老人福祉施設としての特別養護老人ホームがあります。有料老人ホームと特別養護老人ホームでは何が違うのかと言うと、特別養護老人ホームは公的機関、有料老人ホームは民間企業です。
また、特別養護老人ホームが重度の障害をもつ65歳以上の高齢者のみを対象としているのに対し、有料老人ホームでは誰でも入居可能です。特別養護老人ホームの方針は全国一律で、変更することが出来ません。追加料金などを徴収することは許されません。しかし、有料老人ホームであれば、食事内容を変えたりして、その分請求を出すことも可能です。特別老人ホームの費用は月3万円ぐらいですが、有料老人ホームは入居支度金その他様々な費用がかかります。
富士市には富士市立養護老人ホーム駿河荘や特養があります。しかしながら、高齢化社会の中では、費用負担の少ない福祉施設の特別養護老人ホームには簡単には入れない状況でもあります。
そのような実情を踏まえて、民間経営で進められている有料老人ホームはどの様になっていて、どのようなサービスが受けられるのか、富士市役所近くの株式会社ツクイさんが経営する介護付き有料老人ホームのザ・サンシャイン富士を視察してきました。
施設的には、入り口のエントランスも広く、全室完全個室で約11畳の部屋には電動リクライニングベッド・テレビ・応接セット・収納家具・ウォシュレット付きトイレ・コールボタン等が標準装備されておりシティホテルのような感じです。24時間介護職員が配置、及び看護職員、医療機関との連携もされており緊急時にも対応できるようになっています。
(説明と案内をしてくれた中村施設長)
施設やサービスが充実していて、快適に過ごせるのなら入居したくなるのでしょうが、でも気になる事はやっぱりお金の事だと思います。利用料金は24時間介護対応で1日3食の食事、電気代、水道代を含んだ料金で月払い方式では、月額229,500円。入居一時金を入れる事により毎月の支払が安くなるプランもあります。その他には介護保険適用施設の為に介護度に合わせた毎月の介護サービス自己負担金を支払わなければなりませんので、やはりお金は掛かります。かりに年金生活者でしたら、厚生年金による最高額を貰っているような方でないと入居は難しいのかなと感じました。今の利用者は市内の方が9割でありますが、富士山が見られる事により東京や京都からの入居者もいるそうです。有料老人ホームを選ぶ基準は、サービス力、金額、企業力だそうです。ザ・サンシャイン富士には部屋数が100室ありますが、現在はおよそ7割が埋まってはいるものの、十分に空き室があり、現段階では入所困難な特養と違い、直ぐに入れるという事が大きな魅力です。(外出やお酒を飲む事も許されていました)
家族に面倒をかけられない方、家族が面倒を見れない方、家族のいない方等其々の事情のある中では、終の住家としての人生設計として、最後の大きな買い物ではあるもののお金を準備した中で必要に迫られた時には選択肢の一つとして考えられる事なのかなと思いました。