1、岳南電車への理解促進と支援のあり方について
2、富士市市立中央病院の建て替え等の検討について
お許しをいただきましたので、さきに通告してある2項目について質問いたします。
まず、1項目めの 岳南電車への理解促進と支援のあり方についてですが、地方都市圏域では自動車依存型社会への転換が進んでおり、各地で鉄軌道の存廃問題が持ち上がっています。その背景には、少子化、財政状況の悪化、道路整備の進展、都市の郊外拡散などがあります。富士市にある岳南電車は多くの市民が利用している公共交通機関でありますが、平成23年3月の貨物輸送の終了とともに経営難が表面化して以降、富士市でも支援を含めた存廃問題が検討されてきています。
富士市では、岳南電車に平成24年度から6500万円の補助金を出しながら、3年間をかけて存続に係る公的支援の枠組みについて具体的な検討がなされました。平成25年4月には岳南電車としての分社化もありましたが、結果的には富士市における社会基盤として事業者の自助努力と行政の適切な関与によって、市民、事業者、行政が一体となって支えていくことを基本に、平成27年度以降も補助金を縮小しながら6200万円を上限とした公的支援を3年間行うことが議会承認を経て決定しました。
現在、岳南電車が策定した第2次行動計画に基づいたさまざまな取り組みが始まっています。日常の公共交通機関としての市民の足としての利用促進の継続はもちろんですが、富士山が世界文化遺産に認定されてからの観光を振興しての交流人口をふやすことが求められての利用促進をしながら、事業者としての経営努力はもちろん、市民、各種団体、行政が連携しての活動や利用促進協議会でも取り組みが進められています。
岳南電車の存在意義は、社会的便益を考える上では、沿線住民や通勤、通学などでの公共交通としての地域利益という観点だけでなく、富士市が進める観光施策、シティプロモーションの強化、現在実施されているスマートシティ構築の可能性への取り組み調査も含め、市のイメージアップやイベント開催での経済効果及び社会インフラとしての必要性などを踏まえて市全体の利益という視点や、岳南電車の日本夜景遺産登録及び富士市の工場夜景都市としての連携など市の活性化につながる大切な資源として、文化的財産としての社会的利益を正当に評価すべきであります。
富士山が平成26年6月に世界文化遺産登録後に、新たに岳南電車は平成26年10月に全国で初めて路線、車体、駅舎を含めた鉄道全体の日本夜景遺産にも認定されましたが、富士市の文化的価値のある観光資源としてや、鉄道沿線地域にある魅力ある観光資源を掘り起こす輸送施設としても、今ある資源に磨きをかけることが必要であるとともに、さらなる岳南電車の魅力を高めながらの情報発信は重要であります。また、岳南電車への公的支援を決定した経緯を踏まえるならば、行政の適切な関与としても、議会や市民に対しての岳南電車の現状の理解促進については積極的に行わなければいけません。事業者には重要な公共交通機関としての利用促進と理解促進は引き続き求められますが、鉄道安定運行に向けた課題の中では、施設整備に関して3年以上の支援がないと取り組みにくい状況がうかがえます。富士市都市計画マスタープランの公共交通体系の整備方針でも重要な鉄道路線としている以上、支援継続のあり方については検討されなければいけなく、以下の質問をいたします。
1点目、さまざまな分析をしてきたと思いますが、平成27年度からの支援の期間を3年間としたのはどのような理由でしょうか。その後の支援の判断はどの時点でなされるのでしょうか。
2点目、平成26年度の取り組みをどのように評価しているのでしょうか。平成27年度からの岳南電車3カ年の行動計画が始まっていますが、市としてはどのように捉えているのでしょうか。
3点目、岳南電車が存続することによる社会インフラとしての価値や観光資源として観光利用及びイベントなどでの地域経済にもたらされる効果をどのように評価しているのでしょうか。
4点目、岳南電車の現状についての情報発信や理解促進をどのように行っているのでしょうか。
5点目、安定的な継続運行には、車両を含め設備投資に取り組んでもらうためにも、支援のあり方についてはもっと踏み込んだ検討も今後は必要と考えるが、いかがでしょうか。
6点目、岳南都市圏総合都市交通計画の策定を進めていますが、現時点での市長が描く岳南電車の将来像はどのようなものでしょうか。
次に、2項目めの富士市立中央病院の建てかえなどの検討についてですが、富士市立中央病院の沿革は、昭和24年、日本医療団富士地方病院を買収し、町立富士中央病院として富士市本市場441番地の1に設立されましたが、昭和54年9月に増改築基本構想を作成した後、昭和56年5月、病院の全面移転新築を決定し、昭和59年8月に現在の場所に富士市立中央病院として開設して以来、地域の基幹病院として市民の皆様によりよい医療を優しく安全に提供し、常に医療の向上に努めてきています。また、病院施設の整備については、患者に快適な療養環境を提供するため更新、改修の環境整備に適時取り組んできています。
しかしながら、既に病院開設以来31年以上たっている中では、病院施設の老朽化の対応としては、施設の更新、改修だけではこれからの施設整備にも限界があると思われます。39年とされる病院耐用年数が迫ってきている状況では、富士医療圏の命を守る上での拠点施設の充実を図る点でも今後の医療環境変化への対応は必要です。現況の建物では無理が生じることが考えられ、富士医療圏での病院の統廃合をにらみつつ、今後の病院のあり方として移設、移転を考えての新規整備を含めた更新は検討しなければいけないことであります。
現在の富士市立中央病院は、第2次中期経営改善計画にのっとり、小野寺院長のもとで医師確保も堅調に進み、病院経営状況も改善してきていることで、病院改革への評価が高いとされてきています。今後10年先の2025年を見据えた病院改革を進めなければいけない中では、富士市公共施設マネジメント基本方針を含め、富士市立中央病院の建てかえについてどのような考えを持っているかお伺いいたします。
1点目、老朽化への対応と施設充実への取り組みはどのようになっているのでしょうか。
2点目、今までには建てかえ等についての検討はなされているのでしょうか。また、命を守る病院整備は特別重要であり、病院のあり方を検討しながら本格的な建てかえ時期を迎えるに当たり、早期に(仮称)富士市立中央病院建てかえ等検討委員会を立ち上げての検討をしなければいけないと思いますが、いかがでしょうか。
以上、2項目8点について1回目の質問とします。