27年9月議会一般質問

27年9月議会一般質問登壇用文章

1、「大規模水災害に備えての事前防災行動計画「タイムライン」の策定について」

2、「東部地区の土地改良区の今後のあり方について」

お許しを頂きましたので私は先に通告してある2項目について質問いたします。まず1項目目の「大規模水災害に備えての事前防災行動計画「タイムライン」の策定について」ですが、今回の台風18号が関東・東北地方に及ぼした被害をみても甚大であり、記録的豪雨での茨木、栃木、宮城の3県の床上浸水被害は約4700棟及び豪雨での死者が7人を出してしまったことは、東日本大震災等での地震による大規模災害による被害とは別にあらためて、異常気象に伴う起こりうる可能性が高い豪雨等による大規模水災害のもしもの時に備える必要性は求められます。その意味で事前防災行動計画「タイムライン」は事前にある程度被害の発生が見通せるリスクに対して、あらかじめ関係機関が実施すべき対策を時系列でプログラム化した計画をさしますが、大型台風や豪雨についての水災害に対してや洪水対応へは「タイムライン」が有効であるとされています。タイムラインはもともとアメリカが発祥でハリケーンの襲撃で毎年莫大な人的、物質的被害が出ている反省から事前準備の必要性が求められた中で被害発生を前提にした行動手順を取り決める事にしたことが始まりです。そのタイムラインの特徴は、従来は災害が発生してからの救助、救援に重点が置かれていましたが、災害が発生する前の体制づくりや対応を網羅している点であり、必要な防災活動を関係機関、住民が確認しあう事前シミュレーションであります。その効果は2012年のハリケーンサンディがアメリカ東部海岸を直撃した際にも、ニューヨーク市長は上陸3日前に沿岸部の病院患者を非難させ、上陸36時間前に住民に避難を呼びかけ1日前には地下鉄の運行停止、被害を最小限に食い止められた事での評価がありました。

この災害対策でのタイムラインの評価を日本でも活かそうと各自治体でもタイムラインの導入の検討及び取組みを進め始めていますが、国土交通省は国が直接管理する河川109水系でタイムラインをつくる事を打ち出しています。また、今年の8月26日、豪雨災害への備えとして、洪水の浸水想定区域がある730市町村と連携し、住民の避難手順などを定めた事前防災行動計画「タイムライン」を2020年度までに策定する方針を決めたとされています。これは各地の国交省河川事務所が先行事例を示すなど各市町村を支援し、計画づくりを急ぐとしています。県内では既に沼津市、静岡市、焼津市、菊川市、掛川市、岩田市、浜松市の7市で策定済みであり、静岡県は昨年より台風災害の対応でタイムラインを導入し、策定を働きかけていると報道されましたので、水災害で悩まされる富士市でも水災害の最小化を図る上ではタイムラインの導入、策定は早期に取り組むべきであります。また大規模災害時における関係機関が連携しての危機管理や広域で大規模な災害が起こりうる現状には自治体での広域連携の防災強化が求められますので以下の質問をいたします。1、台風等に伴う大規模な水災害が頻発、激甚化している現状での豪雨災害等への対応として行政、住民の行動、時系列を計画的に行う事前防災行動計画「タイムライン」策定についての必要性をどのように捉えているでしょうか、また計画導入及び策定への取組は計画していくのでしょうか

2、大規模水災害時での自衛隊との連携強化は不可欠であり、洪水対応のタイムラインにしても危機管理ネットワークの強化が必要となります、要となる自衛官OBからの危機管理監(防災監)の採用は進めるべきであると思いますがいかがでしょうか

次に2項目目の「東部地区の土地改良区の今後のあり方について」ですが、富士市東部地区には富士山がきれいに見える優良な田園風景が広がっている事で知られています。東部地区の田園は土地改良区内での沼川流域に広がり、30年以上前に行った圃場整備事業や土地改良総合整備事業等による富士東部土地改良区や浮島土地改良区に基盤整備が実地された水田単作地帯であります。現在、富士東部土地改良区内には新幹線が通り、富士山と新幹線が見える絶好の富士山ビューポイントとして多くの人が訪れています。また、珍しい植物やトンボが飛び交う浮島沼釣り場公園や浮島が原自然公園等、湿地帯での原風景を活かした自然利用施設も点在しています。その自然と共生する地区としての農地、水、環境の保全活動としては、富士山のふもとの郷を守る会やはるやま21が活動をしていますし、地域住民有志や幼稚園児がれんげの花等も植えての取り組みもあり、春には素晴らしい景色が広がっての、富士山れんげ祭りも盛大に開催されています。しかしながら、農業振興地域として国や県が進める施設の老朽化に伴う農業基盤整備や農地集積バンク事業を通して農用地を貸したいと言う貸し手から農用地や農業経営の効率化を進める担い手への農用地利用の農地の集積、集約化は取り組まれ始めましたが不透明な部分もあります。土地改良区では近年、農業の経営環境悪化、就農者の高齢化、担い手不足と言った問題は顕在化しつつ、TPP導入による農業への影響も懸念されている中では、農業者の将来展望に不安は抱く人も多く、現状でも、土地改良区での耕作放棄地も広がりつつありますし、シカが住み着いての鳥獣被害やジャンボタニシでの外来種による農作物への被害でも悩まされています。また、土地改良区を通る市道の冠水問題もあり、平成18年に農道から市道に移管された江尾からJR東田子の浦駅へ繋がる南北への4号幹線の江尾柏原線を始め、未だどの市道に関しても雨が降ると通勤、通学者等の日常生活にたびたび支障をきたしており従前より冠水道路の改善が求められています。また、地域の人口流失を防ぐ上での土地利用の変更も求められていますが、東部地区の土地改良区におけるさまざまな課題については、東部地域の活性化にもかかわりが深いため、今後の東部地区の土地改良区のあり方について以下の事を質問いたします。

  1. 施設の老朽化が著しい特にパイプライン等農業基盤整備の取り組みと状況はいかがでしょうか
  2. 東部土地改良区で進められている農地中間管理事業(農地集積バンク)の現状と目指すべき姿はどのようなものでしょうか
  3. 鳥獣被害の現状認識及び対策はどのようなものでしょうか
  4. 冠水道路への改善が求められていますが江尾柏原線の4号幹線以外の今後の幹線道路計画はどのようになっているのでしょうか
  5. 地区計画での土地利用の変更の可能性はあるのでしょうか
  6. 自然豊かで富士山と新幹線のビューポイントでもありますが観光資源や地域の活性化への可能性と整備推進についての考えはいかがでしょうか
  7. 市長は土地改良区の将来展望はどうあるべきと考えているのでしょうか

以上、2項目、9点についてお伺いして1回目の質問といたします。