和歌山大学足立教授の「何故、中心市街地は活性化しないのか」のセミナーで話された中で、そもそも論として、「中心市街地を活性化させる必要があるのか」がありましたが・・・
活性化反対論として
1、 車社会の現在、活性化させる根拠が乏しい。
2、 私的な土地(中心市街地)に公的な資金投入が必要か
3、 すでに手遅れの状態・・
4、 財政赤字の中で余剰資金を中心市街地活性化対策に充てる事は難しい
市場が解決すべき問題。
5、 市場に任せておけば、郊外開発が選ばれる、それ自体悪いものではない・・・(住民が郊外を選んでいる)
活性化賛成論としては
1、 まちの顔としての機能不在により、アイディンティティが失われる。
2、 コンパクトシティ化により財政コストカットが可能。
3、 郊外店舗では観光客は呼べない。−機会費用の発生
4、 中心部の再生により、固定資産税の増収が期待できる。
5、 まちの顔ができ地方都市への企業誘致が進む。
どちらの理論もうなずけます。
足立教授は、反対論では、「中心市街地化か、郊外化は消費者が決める問題。しかも効果が確定的でない分野に公費を投入するのはおかしい。時代の流れに身を任せるべき論」の意見は多いが、活性化賛成論の「コンパクトシティ論」「まちの顔が必要論」の理論を重視。
ヨーロッパなどの成熟国は活性化賛成論が多い事をあげ、活性化賛成論を支持、その理由としては、活性化が成功しているイギリスの話もありましたが、「持続可能な都市づくり」が可能になるからであるとしています。
反対論と賛成論を比べれば、これからの人口減少社会においては、コンパクトで個性的で観光都市になるようが中心市街地としての持続可能な都市として賛成論を推進すべき事は分かりますが、その上で、日本では中心市街地が活性化しにくいのかが問題となっていることでもあります。
富士市においても、賛成論としての富士、吉原の活性化、駅前の顔づくりと取り組みはありますが、時間が掛かっています。地域別の細かい活性化戦略や対策は必要な事でありますが、進めなければいけない事はあるにも拘らず、自治体だけでは進まない状況は、国の政策的な問題も大いにあると感じずにはいられません。
私は一番富士市の東に住む議員であります。
地域では土地利用の規制緩和をして、地域の人口減少に歯止めを掛けてくれと要望もあります。実際、進みにくい活性化論を本当に進めるべきかは郊外に住むものとしては悩みはあります。