幼稚園は地域の子育て・教育のセンター的機能を有しており、この事は幼稚園の規模の大小にかかわらず地域にとって重要な役割を担っています。
子どもの育ちは幼稚園小学校と連続しており、幼稚園が無くなってこの流れが分断されるようなことに成れば、地域にとっても重大な問題が発生する事が考えらます。
その中で、充実が望まれる幼稚園への助成についてですが、
私立学校の公共性と建学の精神を支える為の助成には3つの役割があります。
1、 教育条件の向上
2、 保護者の経済的負担軽減
3、 学校経営の健全性の向上
を掲げて、私立学校振興助成金が施行されており、私立幼稚園にも県から運営経費に対する補助金が交付されています。その上で、各自治体により、成り立ちや財政状況から補助や助成がされていますが、県内の自治体でも其々に施策が違っています。
富士市の助成状況
公立授業料7500円私立は18000円から22000円と約2,5倍の格差がありますが施策として私立幼稚園就園奨励補助金があり、所得別に補助されてはいるものの、公立と私立の授業料の格差はあります。
また、私立幼稚園に対しての幼稚園の運営に対する支援として、 私立幼稚園振興補助金1園定額35万円、園児一人当たり2000円です。他の自治体に比べ劣っている事はありませんが、決して充分な状況ではありません。
富士市の行政コストによる公立幼稚園に掛かるお金として算出されている数字は、
園児一人当たり、
平成18年697,647円、
平成19年781,052円
平成20年が877,013円と示されています。
園児一人当たりの保護者が負担する年間授業料90000円を差し引いても、平成20年で787,013円が掛かり、それは全額公費で賄われています。
一方私立幼稚園に対しての補助は、決算額を園児数で割った数字として、平成20年の市からは就園奨励金において保護者へ支払われる金額を1人当たりで計算すると、58,589円、幼稚園振興費補助として、園に支払われる金額は、1人当たり3714円であり、合計しても、62,303円です。
今求められているのは、授業料の格差是正もそうですが、幼稚園運営に関しての助成の更なる支援であります。同じ市民であると言う事からすると私立幼稚園、公立幼稚園の保育料の格差は納税者として納得は行かない部分ですし、公費配分の公平性からみても、私立幼稚園児の保護者への公費還元は考えるべきことでもあります。
公立は市の税金で賄われ、その結果、保護者負担は低く抑えられています。私立幼稚園は公費投入額が低下すれば、保護者負担に跳ね返る事に成ります。一番に考えなければいけない事は、学んでいる子ども達にとって、良好な教育環境が整備され、維持されてかなければならない状況を行政が支援しなければいけないと考えます。(つづく)