映画館が無い街

 先日、富士駅周辺で会合があった為に、パピー駐車場に車を入れ会場に向かおうとしたのですが、入り口に何か書いてあったので読んで見るとびっくりです。

「12年間ありがとうございました。
富士シネプレーゴは、開館以来12年の間皆様に親しまれてきましたが、4月16日(金)をもちまして、閉館させて頂くことになりました。お客様の長年にわたる温かいご支援、ご愛顧に従業員一同心から感謝いたします。」
と看板が掲げてあります。
ついに、富士市は映画館が無いまちとなる日が来ました。パピーが閉館すると同時に、シネプレーゴの閉館の話はあったのですが、今まで延長して営業をしていました。でも、来る時が来たと言う感じです。
地域においての映画館が次々に閉鎖される中で、富士駅前に1998年に6つのシアターを持つシネプレーゴが開館してくれたのは、喜ばしいことであり、富士市で映画をまとめて一か所で見れる場所として結構重宝していました。実際、年間平均30万〜40万人の人が訪れていたと聞いています。パピー閉館後も観客動員数は維持し続けており、経営的に成り立たない施設では無かった訳ですが、耐震化の関係で建物が無くなってしまうので仕方がない事でもあります。
これで、富士駅北口は、デパートも無い、コンビニも無い、映画館も無い、場所になってしまいました。思わず、20年以上前に、吉幾三が歌っていた「おらこんな村いやだ」を思い出してしまいました。26万人都市であっても、「なんにもねー 。おらこんな村嫌だ。おらこんな村嫌だ。東京へでていくだ」富士市でもそんな声が聞こえてきそうです。
 フイルムコミッションに補助金を市でも出していますが、映画のロケをいくら誘致してもその撮影したものを見る場所が富士市になければあまりに寂しすぎます。
いくら大画面のテレビが普及しても、映画館で見るワクワク感は家で見るのと違います。映画文化の灯を何とかどこかで灯してほしいと思うのは私だけでは無いと思っています。