行事がない時に、書きたいと思っていたのですが、毎日、行事があり、今週末も、イベントが目白押しななので、書こうと思っていた「未来の森を考える」の続編が書けなくなってしまう恐れがありますので、森林整備についての続きを書きます。
先日、茨城へ森林視察に行った事は、報告いたしましたが、その時、先進林業地域であり、多様で質の高い森林を保有する八溝林業地において、古くから、八溝地帯の山守役を務め、現在、国有林造林事業で人夫用請負人として造林作業を指導している旅澤家を守る旅澤さんにお会いしてきました。
森林・林業を取り巻く状況は、木材価格の低迷や林業採算性の悪化などにより、森林所有者の森林に対する関心が薄れてきています。その結果、間伐等の森林整備が停滞しているのが実情でもあります。
なぜ間伐が必要なのかは、間伐とは、森林の保育の為に行う伐採の事で、木々に再び光をあて、幹の肥大生長を促し、りっばな森林を作る為の不可欠な作業だからです。しかし、間伐作業を怠り、森林を放置すると、林床に光が届かなくなり、下草がほとんど生えない状況になります。その結果、剥き出しになった地表に雨が直接当たり、表土が流出する恐れがあり、土壌中に雨水が浸透する量も少なくなってしまう事から、間伐は森林の持つ水源涵養や山地災害の防止など公益的機能を発揮する上でも重要な作業とであると言えます。
旅澤さんの管理する山を拝見させていただいたのですが、山の中に入るとひんやりとし、小川のせせらぎが流れる中、わさび田あり、樹齢70年から80年の杉の木がまっすぐに伸びています。中には、樹齢120年の杉の木もありましたが、間伐もなされ、適正に管理されたまっすぐな杉の木は、本当に驚かされました。大変な作業と思われますが、昨年、樹齢120年の杉の木を一本きり、自宅の家を建てた時に使われたそうですが、立派な木造住宅で羨ましく思いました。
富士市においても、間伐がなされていない場所が増えているのが現状です。森林を管理していくには、時間とお金がかかる事で割りに合わない現実があります。委託している場所も、管理する人の高齢化や後継者がいない状態があり、お金をかけなければ、森が管理できない時代になってきています。
森林による、2酸化炭素吸収量を間伐によって増加させる事が、地球温暖化防止の観点からも重要視されはじめてもいます。
今後、緊急に間伐を行う必要がある荒廃した森林を調査した上で、公的に間伐等を進めていかなかなければならない予算も考えていかなければいけないと思われます。
未来の森を創る事は、大切な事であります。