ベトナムに行って驚いたことの1つに、街の中にはむき出しの絡み合った電線があちらこちらにある事です。当たり前のような光景ですが、漏電をしないか心配してしまいます。日本ではとても考えられない風景です。
今回の視察で分ったこととしてベトナムへの海外へ進出している製造業の大きなメリットとして電力の安さがありました。
ただ、現状の水力発電に頼る電気供給については、安定供給と言う点については不安があります。
ベトナムでは、人口の増加や経済成長に伴い、今後、年間10%以上の電力需要の伸長が予想されております。今後、電力需給が逼迫することが予想されており、新たな電源開発やインフラ整備が急務となっており、発電量の半分近くを水力発電が担っている点では、天候などに左右されない安定した電源の需要が高まっているために石炭火力発電の建設が求められています。。
2010年から2030年には
水力38%から16%
ガス火力32%から12%
石炭火力18%から52%
地震の無い国ですので原子力7%
と水力発電依存から石炭火力発電へシフトしていき、2030年には2010年の約7,3倍の電源を開発する計画になっています。
既に稼働しているベトナムの火力発電所の近くを通って感じた事は、日本の企業が作った火力発電にある煙突からはほとんど煙が出ていませんでしたが、ソビエト(ロシア)製の発電所からは煙がもくもくと出ていました。
(ロシア製のプラントからは煙がモクモク、日本製からは煙がほとんど出ていない事が比較すれば分ります)
ベトナム人のガイドさんからも、日本の技術の高さは煙突からの煙だけ見ればよくわかると日本製が良いと褒めてくれましたが、ベトナムでは煙がもくもく出ている状況に不安を感じていないようで、まだ、環境汚染については日本ほどシビアでない事がよくわかります。
富士市での製紙業は電力消費産業としてのコスト削減に大きく左右する為に、電気代を下げる事が求められていますが、原子力に頼れない状況では電気代が安くなる見込みは今のところありません。ベトナムでの電気代は日本のおよそ三分の一です。安定供給がされるようになれば、製造業には更に魅力のある地域となってしまいます