遠野式「循環型社会」とは

遠野物語で有名な岩手県遠野市に、遠野地域木材総合供給モデル基地「協同組合 森林の国遠野・協同機構」を視察してきました。

遠野市は岩手県東部にある北上山系の中東部に位置し、人口31,224人、高齢化率32,9%です。
岩手三山を始めとする山々に囲まれた標高250メートルから300メートルの盆地にあり、市の面積は82,562haに対し森林は68,581haと森林率83,1%になります。

その森林のまち遠野市に置いて、26,5ヘクタールの敷地に原木や製材品に付加価値をつけ地域の林業を活性化させようと地域内の川上から川下までの木材関連産業を有機的に結合させた(協)森林のくに遠野・共同機構として、10の施設を団地に集結させた遠野式・循環林業システムを構築させています。

このシステムができた背景には、県内有数の林業地帯ではあるものの、林業の衰退が進み、人の手が入らなくなった山林は荒れ始め、地域経済を始め自然環境にも影響を与えるようになってきた中で、遠野独自の林業の活性化を図る一大プロジェクトとして進められています。
今回視察では、概要のレクチャーを受けた後、10の施設の内、次の3つの施設視察をしました。

1、原木を注文に応じて角材、板等に加工する「(協)リッチヒル遠野」。
2、集成加工により木材の可能性をひろげる「(協)遠野グルーラム」。
3、遠野の風土から生まれた民芸家具を始めとする「北上山地家具製作(協)」。
どの施設のおいても興味深い物がありましたが、特に集成材(グルーラム)の利用は富士市では利活用はされていませんが、建築部材として利用しにくいものの利用範囲の可能性と言う点から大変興味深いものでした。(集成材についてはメリット・デメリットを含め、改めてじっくり報告します)

どの施設にしても、北国と言う事もあってか、暑さ対策はなされていなく、レクチャーしてくれた部屋にはエアコンも無く、また集成材で作られており、寒さには強いのでしょうが集成材の長所の高気密と言う点では閉め切った部屋のレクチャーは、まるでサウナに入っているような状況で、説明を聴きながらも汗が噴き出てきます。
しかしながら、汗を流しながらも大変勉強になりました。

遠野式「循環型社会」の象徴として「遠野地域木材総合供給モデル基地」であり、その実現へ向けてのシステムの一部を見たのですが、森林の国遠野においては、循環型社会は「森」に秘められており、その循環を巡らせる一翼としての使命が託されているものを感じました。