静岡県では、田子の浦港の西側の海岸に浚渫土を盛土材とした土地を造成し、「ふじのくに田子の浦みなと公園」の整備を進めています。現在、公園は田子の浦地区の住民と協議で策定した計画に基づき整備しており未整備の施設は歴史的社会教育施設「ディアナ号」と展望施設のみとなっています。ただ、平成25年6月富士山が世界文化遺産登録され、富士市からも重要景観公共施設として指定されているため、今後施設整備に関しては、景観に配慮した施設整備は求められています。そのため、田子の浦管理事務所で、公園施設の景観に関して、専門家を招いての勉強会を開催しましたので、私は環境経済委員会の委員長として参加してきました。
講演としては
・景観・デザインの留意点 日大理工学部まちづくり工学科教授 天野光一先生
・景観に関する取組紹介等 NPO法人 くらしまち継承機構 伊藤光造先生
の講演後には、みなと公園内整備予定のディアナ号と展望施設の意見交換会がありました。先生方からは、造ってしまってからでは取り返しがつかなくなる事例は多くあり、景観的な配慮としては富士山の眺望を阻害せず、他の施設のデザイン的な関連性を持たせ、特に教育施設に関しては、フェイクであってはいけないという話がありました。そのうえで、地元の要望としては、景観的な配慮は必要だが、本来なら約束として平成22年に整備されるものであり、施設整備が現状遅れていることの不満として、県へ陳情もしているが、現状進めている地元の策定した計画での早期の施設整備がされることは求められました。
みなと公園は富士市にとっても今後の田子の浦港の周辺整備としての賑わいの創出に欠かせない場所でもあります。市民にとっても施設の充実は求められていますが、フェイクでなく、よりリアルな施設整備をするにしてもなにぶん予算がかかることであります。以前、田子の浦港の勉強会が開催された際に、国交省から、みなと公園整備の予算が削られたのは民主党政権の時であることが説明されました。その意味では、今回の国政選挙において、富士市から政権与党の代議士がいなくなった状況では田子の浦港振興ビジョンの計画をはじめ、港湾整備が遅くならないことを願うばかりです。