母の日に親戚筋の結婚式に呼ばれました。
当日は、わんぱく相撲大会と歌謡教室発表会に顔を出しての出席でしたので、残念ながら式には間に合わず披露宴からの出席となってしまいました。ちょうど到着した時に、挙式が終わってのフラワーシャワーでの祝福を受け、持っていたブーケを未婚の女性に投げている所でした。
披露宴会場の入り口で新郎の父に遅れた事を詫びながら、お祝いを述べると、
「ちょうど良かった。頼みがあるよ」
「なんでしょうか?」
「急で悪いんだけど、万歳三唱をやってくれよ」
「え〜わたしが・・万歳・・」
「縁起物で息子の為に頼むよ」
そう言われると、せっかくのお祝いの席なのでと思い
「じゃあ、わかりました」
と返事をしてしまいました。
指定の席に着くと建設組合長に
「議員は挨拶しないの?」
「挨拶はありません」
「出番はないの?」
「今、入り口で万歳をやれと言われました」
「う〜今時、結婚式で万歳なんてやるの」
「縁起物って・・」
「最近の結婚式で万歳なんて見たことないよ、大丈夫??おしゃれな結婚式で浮いちゃうんじゃない」
そんな風に言われると急に不安になりました。万歳は私も選挙ではよくやりましたが、最近の結婚式はスマートになってきているので万歳三唱はほとんど見た事もありません。
終わり間際に、また建設組合長が、
「万歳の口上分かっている?しっかりご両家の苗字を言うんだよ、また、名前を間違わないように新郎、新婦って言った方がいいよ」
とアドバイスがありました。
何も考えていなかったので、名前を言って万歳をすればいいと思っていたのですが、そう言われるので急遽、口上通りの短いあいさつの上で、新郎が顕(けん)さんで新婦が恵理(えり)さんなので覚えやすい名前であると名前を確認して万歳をする事に決めました。
新郎のお礼の挨拶の後、いよいよ出番です。
「長谷川家、渡辺家ご両家及び本日ご参加の皆様の繁栄と、新たなる2人の門出を祝い万歳三唱を行います。それではご唱和お願いします。」
「ケンさん、リエさんの素晴らしい未来の為に、バンザイ!バンザ・・」
と言うと新婦側の席から
「名前が違うよ」
と声を掛けられてしまいました。一瞬どよめきがあり、やってしまったと思い、慌てて
「すみません、もとい、縁起ものですからもう一度やります。」
「ケンさん、エリさん、バンザイ!バンザイ!バンザイ!」
会場は笑いもありながら、大きな声でのバンザイで大変盛り上がりました。
私は失敗してしまったと顔から火が出るような思いでもありましたが、知り合いの方々からは、
「流石は荻田君、笑いを取っての演出、計算したの」
みたいな感じで好感触でありました。
ただ、大多数の年配の方は、名前を間違った事に気が付いていなかったようです。
なんとなく雰囲気は失敗は成功のもとみたいな感じでのバンザイ三唱ではありました。
日頃より名前だけは間違わないように思っていたのですが、新郎新婦にとっても思い出の結婚式であったと思いますが、私にとっても忘れられない結婚式の1つになりました。
ケンさん、エリさんどうぞ末永くお幸せに!!!!