「富士市立中央病院の経営形態の在り方について」
お許しを頂きましたので、私は先に通告してある「富士市立中央病院の経営形態の在り方について」を質問させて頂きます。
現在の地域医療再生の為には、公立病院の役割として、地域に必要な医療の内、採算性等の面から民間医療機関による提供が困難な例えば、救急、小児、周産期、更には災害等における緊急医療を提供する事となっています。本年度は特に東日本大震災があり、大規模災害において、命を守り続ける災害医療の重要性は改めて感じました。富士市においての富士市立中央病院は地域の基幹病院として市民の生命と健康を守る事に貢献する為に、今まで医師を始めとする職員の努力により、臨床研修指定病院、災害拠点病院、病院機能評価の認定等々その病院機能の充実、強化と質の向上を図ってきており、富士市はもとより、富士医療圏においては無くてはならない基幹病院であります。
しかし、地域の基幹病院の役割を担う多くの自治体病院において、損益収支を始めとする経営状況が悪化するとともに医師不足に伴い診療体制の縮小が余儀なくされるなど、その経営環境や医療提供体制の維持が難しい状況が生まれ始めました。加えて、「地方公共団体の財政健全化に関する法律」の成立により病院事業の赤字がそのまま自治体赤字に直結し、自治体全体の財政健全化に大きな影響を与える事に成った為、病院事業は一層の健全経営は求められています。
その中で本年度は、10年ぶりに診療報酬がプラス改訂となり、全体として医療機関の経営は大きく好転したといえます。診療報酬が上がり、500床前後の総合病院で4%、ガン専門病院や回復期のリハビリ病院では、8%以上の増収も珍しくありません。赤字で話題になった各地の自治体病院の収支も改善しています。中央病院においても、診療報酬は増収となりました。このような状況から病院を取り巻く環境は大幅に改善したように見えます。しかし、今後、高齢化で医療費が伸びるのは明らかであり、長期的には医療費の伸びを抑制する政策が継続されることは間違いなく、増やすところは増やすが減らすところは大幅に減らす医療政策が行われると考えられます。
富士市では、基幹病院としての役割を担いながら、市民に良質な医療を提供できる健全な公立病院であり続けるためにはどうしたらいいのかとして、病院経営改善に向けては、平成19年に市長の諮問機関として中央病院運営検討委員会が設けられ、経営全般に討議されました。出された答申では、中央病院では、病院長には管理職としての権限は与えられてはいるものの、地方自治法や地方公務員法の制限があり、人事、給与制度を始めとして、企業としての必要な体制が取れず、機動性や柔軟性に欠けると言わざるを得ないとして、そこで、病院経営者に実質的な権限を与え責任を明確に問う事のできる体制として、中央病院に相応しい経営形態は、地方公営企業法の全部適用とすることとされ、経営形態の変更をした上で様々な病院改善を進めながらも、全部適用の企業管理者としての任期4年間を考慮しながら、改善効果が得られなければ独立行政法人化への移行も視野に入れる事が提言され、答申提示項目実現に向けて病院経営課を新設し経営改革に対する強化を図りました。その後、全国の公立病院が取り組んでいる総務省の要請による富士市立中央病院改革プラン、続いて病院独自の中期経営改善計画の中で経営基盤の強化を進める計画が策定され、「地域の基幹病院として、市民の皆様により良い医療をやさしく安全に提供し常に医療の向上に努める」ことを理念として、各々の目標年度を平成23年、平成25年として、病院の健全経営の実現に努めています。しかしながら、今までにも富士市では産婦人科医引き上げ問題も持ち上がり、医療崩壊の恐れはいつ起こるか分からない状況は変わらなく、市民に頼られる病院である為には、これら改革プラン、中期経営改善計画に則り課題を解決させなければならない訳です。ただ、中期改善計画はあるものの、産業構造が変わりつつある市での財政状況の悪化が予想される状況下では、少しでも早い健全な病院経営は重要な事であります。答申が出された経緯を考えれば、市民に信頼される病院、医師が集まりやすい魅力ある病院つくりを進める上での課題取り組み策として経営形態の在り方は、経営改革プランの目標年度が平成23年度の本年度であるならば、昨年の7月に新たな病院長を迎え、様々な改善に取り組んでいる中央病院においても、経営形態の在り方についてはしっかりと検討すべき時期であるとして、以下の質問を致します。
1点目として、経営改革プラン及び中期経営改善計画の点検及び評価等は「富士市立中央病院あり方懇話会」でも点検、評価されていると思いますが、これまでの点検、評価、数値目標の結果はどのようなものでありましたか、また、達成できていないものがあればその理由は何でしょうか
2点目としては、中期経営改善計画で挙げた課題に対して、今までどのように取り組んできたでしょうか、また、課題解決の見通しはどのようなものでしょうか
3点目は、経営形態について、平成19年に中央病院運営検討委員会答申で、様々な改善を取組む体制としての経営形態として「公営企業全部適用」に変更して取り組む事が提言された事に対して実施に至らなかったことはどのような理由によるものなのでしょうか。また、あり方懇話会では、答申で示された経営形態変更についての検討はなされたのでしょうか
4点目として、現在の一部適用による病院経営に対しては、病院改革を進める上での経営形態の変更について、今後ますます市の財政状況は厳しくなることは予想されますが、病院開設者である市長の見解をお伺いします。
以上、一回目の質問とさせて頂きます。
カテゴリー: 平成23年
23年9月議会一般質問
{東部地域の更なる水害対策と沼川流域の整備改修事業の促進について}
お許しを頂きましたので、私は先に通告してあります、「東部地域の更なる水害対策と沼川流域の整備改修事業の促進について」を質問いたします。
本年度は3月11日に東日本大震災、また、3月15日に東部地震とあり、地震災害に対しての防災対策という事について重要な課題として取り上げられています。私も被災地へ行き、東日本大震災での津波被害を目の当たりにし、改めて水の恐ろしさを感じましたが、その後、大雨や台風による同様な水の被害が発生している状況は、地震以外の災害にも取り組まなければいけない事は言うまでも無く、水害と言う点では、以前より富士市の東部地域にも身近な問題としてあります。富士市の東部地域は、水害常襲地として名が通っていますが、過去5年間でも平成19年の7月14日から15日にかけての台風4号による総雨量364ミリの記録的な大雨により、床上浸水16件、床下浸水69件等々の被害、また、平成20年7月4日の時間雨量112ミリと言う想定外のゲリラ豪雨においても床下浸水等の被害があった事は記憶に新しいところです。私自身も、水害対策については今までに、3度議会で取り上げ取り組みを求めてきました。その都度、当局の様々な対応のおかげもあり、幸いな事に最近では大きな被害は出ていません。しかしながら、大きな被害が出てから4年以上経った今も、大きな問題点としての、沼津線より下の江尾江川の拡幅は進まず、抜本的な対策として言われている事として、沼川の改修整備と昭和放水路及び石水門の拡幅であるとしていますが、未だに県への要望は届かず、住民の不安は払拭できてはいません。部分、部分の対策は進められていますが、総合的な沼川流域の改修事業の促進が進まない中では、雨が降ると東部地域の市道では直ぐに冠水箇所となってしまうところも多く生活に支障はきたしており、改善への取り組みは求められています。
近年においては平成19年7月の大きな被害が出た後を超えるような記録的な大雨や平成20年の7月の瞬間的なゲリラ豪雨とまではいかないまでも、異常気象の表れとしてか、大雨が降る回数は増えてきており、今年になってからも大雨の回数は多く、6月、7月、8月、9月と地域では大雨警報が出るたびに関係者には緊張感が走り、安心が出来ません。特に先々月の8月24日から25日かけては、日本海沿岸に停滞する前線に南からの湿った空気が流れ込んだ影響で、大雨となりました。気象庁の発表では、富士市の24時間当たりの降水量は、昭和51年以降、8月の観測史上最大となる262ミリを記録した雨が、道路冠水での交通マヒを起こさせ、江尾江川は堤防をあふれ出る溢水(いっすい)状態となった為に付近住民は騒然となり、水害常襲場所住民は避難しました。その後も台風等が押し寄せ、台風12号、台風15号においても水による被害はでています。今までに、県でも市でも対応は進めてくれており、湛水防除事業も着々と進み、現在も江尾江川調整池が建設中ではありますが、全国的に記録的な雨が更新され続ける状況は、それだけでは、対応しきれない事は考えられ、更なる対策の取組と被害拡大を防ぐための東部地域の監視体制の強化は求められます。
東部地区の水害は、東部地域の地形的な問題がありますが、富士山麓の一部及び愛鷹山麓の切り立った山間から浮島低地へ多くの支流から一気に流れ込む沼川流域についての治水対策として、県においては、平成4年4月沼川流域整備計画が策定されており、富士市では、平成8年の3月には総合雨水整備計画が策定された中で沼川水系の水害対策については取り上げられています。しかしながら、県の整備計画策定時に比べ、近年の異常気象と開発により山林、水田が減少すると共に田んぼの嵩上げにより遊水機能が果たさない状況は雨水に対する自然抑制機能が低下し、河川へ短時間に多くの雨水が集中するなど治水対策の見直しが必要となってきています。現在、静岡県沼津土木事務所、富士土木事務所で平成21年5月に市長を委員に含む富士川水系沼川ブロック流域委員会が設置され、新たな沼川整備計画が検討され始めており、すでに4回の委員会が開催されていますが、平成23年7月29日の委員会では、専門家による治水検討会での中間報告もなされ、整備計画の目標や実施内容が示されています。内容について新聞報道もされていましたが、詳細が説明されていませんので、地元住民としては気になる所でもあります。
災害と言うと3月11日の東日本大震災後は、地震、津波、放射能に目を奪われがちになってしまいましたが、昨年9月の小山町での水害や紀伊半島を中心に大きな被害をもたらした台風12号豪雨による水害被害を見ると、津波被害も水害被害も同じ風景であります。富士市は災害に強いまちとして、東部地域の更なる水害対策は基より、沼川流域の整備、改修事業の促進を今まで以上に求められることは言うまでも無く、一刻も早い富士市にあった沼川流域整備計画の策定も待たれるので以下の質問をいたします。
1点目として、近年の気象状況の変化に伴い、富士市における大雨洪水警報は何回発令されているのでしょうか
2点目として、8月25日の大雨での東部地域の状況と対応はどのようなものであったのでしょうか
3点目として水害対策の現状として
①国、県に関わる所も多いが河川の整備状況(護岸、拡幅、浚渫)のどのようものでしょうか
②雨が降った時に適正に調整池・排水ポンプの機能を果たしているのか確認は出来ているのでしょうか
③市道柏原江尾線は冠水に配慮しての整備も進められていますが、その他の頻繁に起る道路冠水問題箇所の対応はどのようにしているのでしょうか
4点目として、水害が予想される箇所への監視体制はどのようにしているのでしょうか、また、災害の状況を把握するためにも監視カメラを利用しての強化は図られないでしょうか
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5点目として沼川流域整備計画策定は当初22年度内としていた予定より遅れているようですが進捗状況の説明をお願いいたします。
① 委員会での整備内容の素案はどのようなものであったのでしょうか
② 富士市が長年求めている石水門の拡幅についての見解は如何でしょうか
③ 沼川の地震による津波被害に対する考え方は検討されているのでしょうか
の以上を一回目の質問と致します。
23年6月議会一般質問
「キャリア教育(生きる力)の更なる充実について」
「選挙環境改善の取り組みについて」
お許しを頂きましたので私は先に通告してある「キャリア教育(生きる力)の更なる充実について」と「選挙環境改善の取り組みについて」の2項目について質問いたします。まず1項目目の「キャリア教育(生きる力)の更なる充実について」ですが、キャリア教育については、昨年の9月議会で「富士市立高校として変わる中での、富士市でのキャリア教育の在り方について」取り上げさせて頂きましたが、その中の市長答弁においては、将来の富士市を担う人づくりと産業支援等の面からもキャリア教育推進は必要で重要な事であると今後の取り組みに前向きな姿勢を示してくれました。改めてキャリア教育について説明しますと、子供達に「生きる力」を身に着けさせ、しっかりとした勤労観、職業観を形成,確立し、将来直面する様々な課題に柔軟かつたくましく対応する力を高める事が重要な課題であります。その課題に取り組む為に文科省、経済産業省等でキャリア教育は推進されていますが、新たな定義として、現在では、一人一人の社会的、職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てる事を通してキャリア発達を促す教育としています。キャリア教育を進めていくには、社会、職業との関連を重視しつつ、義務教育から高等教育までの体系的な教育の改善、充実が求められています。現行の学習指導要領が目指す「生きる力」を端的に示すならば、1、「自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質」2、「学び方やものの考え方を身に着け、問題の解決や探究活動に主体的、創造的に取り組む態度を育て自己の生き方を考える力」と言う点ではキャリア教育に適合しています。富士市では、学校単位でのキャリア教育が積極的に推進されており、特筆すべき活動もあります。本年、4月から開校した富士市立高校においてのキャリア教育は、新たにキャリア支援課が設置され、今後、富士市立高校での様々なキャリア教育の取り組みは全国的な先進事例になりえそうでもあります。また、企業、各種団体等や就労支援としてNPO団体でもキャリア教育の取り組みが始まっています。しかしながら、未だ、体系的、組織的には一元的な取り組みには至っていないことは残念でなりません。10年、20年先を見据えた富士市の人材育成の基盤となる生きる力を身に着けさせるキャリア教育の更なる充実は求められていますので、必要性や方向性ややらなければいけない事が分かっている以上、キャリア教育を総合的に展開をしていく上で、現在のなかなか進みにくいコーディネーターの育成やキャリア教育推進協議会(仮称)の設置についての要望は引き続き強く致します。
文科省として、学校への「キャリア教育」を本格導入する方針を決定していますが、平成23年1月、中央教育審議会は、答申として、「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」が公表されました。また、本年2月に文科省国立教育政策研究所から、キャリア教育の更なる充実に資することを目的として、「キャリア教育の更なる充実のために-期待される教育委員会の役割-」という資料が作成され、全国の教育委員会に配付されました。当然、富士市の教育委員会に置いても、配布された資料を含め、キャリア教育についての検討はなされていると思われますので改めて以下の質問を致します。
1、 段階的にキャリア教育の現状はどのように成ってきているのか,また市立高校でのキャリア支援課の取り組みはどの様なものか
2、 関係部局、関係団体との連携構築はどのようになされてきているのか
3、 文科省から配布された資料の検討はどのようになされたのか
4、 富士市独自のキャリア教育を確立して行く為にも、キャリア教育推進協議会の早期設立は求められるが、議会で市長より富士市では民間主導での設置との見解はあったものの、現在の民間主導では進みにくい状況を鑑みると、キャリア教育が生きる力の育成とするならば、推進役は教育委員会が担うべきと思うが如何か
をお伺いいたします。
次に選挙環境改善の取組についての質問に移らせていただきます。
今回の統一地方選挙の結果を受けて、6月2日開催の総務市民委員会協議会でも投票率の向上についての課題は取り上げられていましたが、富士川と合併後の新富士市として一番身近な選挙においての投票率は、震災の影響があるとはいえ、好天に恵まれ36人の定数に対し、44人が出馬しての激戦である事、投票率の高い旧富士川町を含んでの事を考えれば、市民の2人に1人しか行かない投票率50,79%は低く、近年の統一選挙においての最低の数字でもあった事は、民主主義を政治制度として採用する存立基盤を揺るがす重大な事であると受け止めなければなりません。また、サンプルで示された20歳代の投票率23,85%と60歳代以上の投票率を比較しても、60歳代以上の3分の一でしかない若年層の投票率の低さは将来に対しても深刻な問題でもあります。
投票率の低さは議員自らが反省すべきことでもあると思いますが、政治不信と言う言葉で片づけることなく、投票率の向上は政治参加の保障と言う観点から、自治体レベルにおいても、少しでも選挙を身近に感じさせる最善の努力をしなければならないと考えます。議員も変わらなければいけませんが、自分達の事は自分達で決める事の代表的なものとして選挙があり、真の選挙のあり方を追求し、創造していく事が選挙管理委員会の果たす役割ならば、複雑な時代であるからこそ求められる役割は大きいです。現在、様々な啓発活動や期日前投票を促していますが、対策に苦慮している現状でもあり、投票率の低下が進む中では、更に市民の声に耳を傾けながら、投票率分析をさらに細かくして、有効な対策を考えなければいけない必要があると思われます。
今回の選挙では、開票速報が遅いの