1、 高齢者運転免許証自主返納がしやすい環境整備及び「セーフコミュニティ」について
2、 キャリア教育の先進市としての体制づくりについて
お許しを頂きましたので私は先に通告してある2項目について質問いたします。まず1項目目の「高齢者運転免許証自主返納がしやすい環境整備及び「セーフコミュニティ」について」ですが、安全・安心なまちづくりの条件としては交通事故の減少は進めなければいけない課題の1つであります。交通安全対策を進める上では、高齢化が進む社会において高齢者ドライバーの交通事故や高齢者の運転免許証保有者は増加の一途をたどっています。高齢者の交通安全対策の1つとしての高齢者運転免許証自主返納制度は事故を未然に防ぐと言う観点からは重要な事であり、推進するには免許保有者の理解と警察、行政、地域、企業等連携は必要となっています。
既に免許証の自主返納に対する取り組みは全国的に進められていますが、富士市は特に自家用車の保有台数が多く自家用車に依存する事が余儀なくされている地域でありますので、運転免許証の自主返納がしにくい状況は考えられます。県内においてはタクシーの高齢者免許証返納割引制度が平成23年4月に導入されたことによる高齢者事故件数が少なくなることが示されています。そのような意味では富士市での高齢者の交通事故比率を引き下げる為に、この制度導入を機会に高齢者の安全確保を求めながらも少しでも生活しやすい対策を進めなければいけなく、更なる理解と今の制度を含め返納しやすい環境づくりは必要な事でありますので、運転免許証自主返納制度の支援の充実を進めた富士市独自の環境整備が求められています。と同時に安全・安心のまちづくりには高齢者事故の減少策だけに留まることなく、事故やケガは偶然に起こる事でなく、地域や住民や行政などが連携・協働すればその他の事故も未然に防げることを考えなければいけない事であります。
そこで、地域の誰もがいつまでも安全に暮らせるまちをつくろうというセーフティプロモーションに取り組む地域を「セーフコミュニティ」として世界保健機関WHOが認証しています。日本では、事故を「降ってわいた災難」と考えがちですが、WHOでは「適切な対策を講じれば事故は予測可能である」という考えの下に、日常生活で発生するあらゆる外傷(不慮の事故だけでなく自殺や虐待なども含む)を予防するための取り組みが進められています。その取り組みとしてはデータ分析により現状と課題を把握し、目標を設置しての課題解決を進める手法がとられています。このような取り組みをセーフティプロモーションと言い、セーフティプロモーションをもう少し説明すると、人々が平素で暮らせるようにする為に事故や暴力その結果としての外傷や死亡を部門や職種の垣根を越えた協働による科学的に評価可能な介入により予防しようと言う取り組みでもあります。そのセーフティプロモーションの考えを実践するまちづくりの仕組みが「セーフコミュニティ」であります。既に、私が所属する市民クラブでは、日本で初めてセーフコミュニティの認証を受けた京都府亀岡市に視察をしてきており、セーフティプロモーションの有効性やセーフコミュニティのメリットも確認してきました。
今回取り上げた質問の高齢者運転免許証自主返納推進は「セーフコミュニティ」認証の自治体でも交通安全対策の1つのプログラムとして捉えており、免許証返納を含む安全対策を進めていく上では、セーフティプロモーションの考えは参考になります。今後、富士市でも総合的な安全、安心なまちづくりは求められ、高齢者免許証返納のしやすい環境整備を進めながらも「セーフコミュニティ」については市として研究すべき課題であると思い以下の質問を致します。
1.高齢者交通事故と免許返納状況をどのように把握しているのでしょうか、
2. 県内で進められている「高齢者運転免許証返納割引制度としてタクシー割引」の利用状況をどのように評価しているのでしょうか。市として返納時における運転経歴証明書の作成についての支援はできないのでしょうか。
3. 返納をしやすい環境整備として市独自の支援充実は進められないのでしょうか。
① 近隣地域ではタクシー等の補助が上乗せで取り入れられていますが、更なる補助は進められないのでしょうか。また、タクシー以外にもバス、電車等の利用に対して補助を進めるべきでありますがいかがでしょうか。
② 地域での買い物補助等の連携は進めるべきであると思うがいかがでしょうか。
4. セーフティプロモーションの必要性及び「セーフコミュニティ」についてどのように考えているかを伺います。
次に2項目目として「キャリア教育の先進市としての体制づくり」についてですが、キャリア教育とは、「生きる事・働く事」に繋がる学びを家庭、学校、社会、企業が一体となって実現しなければならない事であると思っています。富士市の現状は、富士市内の小、中学校ではほとんどの学校で職業講話、職場体験等のキャリア教育は取り入れられています。富士市立高校でもキャリア支援課が設置されての取り組みが成されています。企業や団体と連携した先進的な取り組みもあります。就労支援策の一環ではありますがが、fきゃるではキャリア教育支援のデータ収集やコーディネーターとして学校との連携に務めています。また、学校教育に協力可能な事業所を紹介するデータブックが発行されようとしています。キャリア教育を推進する団体も存在します。子供達の勤労観を養う先進的なイベントとしてキッズジョブも開催されています。その意味では他の自治体と比較してもキャリア教育先進都市と言えます。しかし、私がキャリア教育について議会で取りあげた際での答弁では、市長も教育長も必要性の認識は持っていてくれている事は十分わかりましたが、未だ、キャリア教育を一体的体系的総合的に推進する体制が整っていない状況であります。また、整備環境があるのにも拘らず、かねてより要望してきたキャリア教育推進協議会(仮称)の設置が進まない事は不思議に思っています。
文科省では新年度予算案に、教育委員会や経済団体、市長部局などが連携して地域のキャリア教育を推進する協議会の設置支援事業も盛り込まれる事を聞きました。国においては本格的な体制作りに力を入れる事になっているようです。
富士市の財産としての、人材育成は欠かせない事でありますが、若年層の早期離職等学校から社会への移行が円滑にいかない若者が増えている現状を踏まえると更に高校まで含めた体系的なキャリア教育を積極的に取り組まなければいけないことであると思っています。
富士市は本年度より都市活力再生を掲げ進めていく訳ですが、将来的なビジョンの下でもキャリア教育を全市的に取り組む体制つくりを進める時が来ていると思い改めて以下の質問を致します。
1. キッズジョブが開催されている事やfきゃるでのキャリア教育支援を教育委員会や学校ではどのように評価しているのでしょうか
2. 必要性の認識は示されていましたが、連携の環境としてキャリア教育推進協議会(仮称)の設立の検討はどのようにされてきたのでしょうか、また、設置の予定はないのでしょうか
を伺い1回目の質問と致します。