1、「安全・安心の水道の構築について」
2、「東部地域調整池(江尾江川・トツラ沢)の開発に伴う水害予防について」
お許しを頂きましたので先に通告してあります2項目について、質問をいたします。まず、始めに1項目目の「安全・安心の水道の構築について」ですが、
富士市は富士山の雪解け水が溢れ出る水に恵まれたまちでもあり、また、市民は水道においては蛇口をひねれば水は出るものと考えています。富士市の水道は、平成20年3月31日の上水道の普及率が富士上水道で89,7%富士川上水道が98,5%簡易水道が富士上水道で9,8%という状況であり、1人1日の平均給水量が富士上水道では357リットル、富士川上水道で346リットルを使用しています。しかし、いざ災害が起きたらどのような形になるのでしょうか、平成7年に阪神・淡路大震災が発生し神戸市を中心とした周辺市町村が甚大な被害を被った事から全国的に地震対策が高まりました。近年においては、能登半島地震、新潟県中越沖地震、岩手宮城内陸地震等においても被害がでています。予てより想定される東海地震等が発生した場合、富士市でも大きな被害が考えられますが、特に、水道はライフラインの中でも重要なものである以上、地震被害を出来るだけ小さくし、早期の復旧を行う必要があります。地震災害が発生した場合でも、応急給水は勿論ですが、生命の維持や生活に必要な水を安定して供給する為と災害後の水道の早期復旧をする為にも、配水池等の基幹施設はもとより基幹管路の耐震化は図る必要性はあります。厚生労働省が平成16年6月に公表した「水道ビジョン」において、「災害対策等の充実」を主要施策の一つとして、基幹施設及び基幹管路の耐震化を進める事としています。しかしながら、全国的な状況においても決して十分な備えはできていない状況にありますが、加えて、施設の老朽化も進んでいる中では、脆弱性が高まっている事も指摘はされておりますが、次の目標が掲げられています。「浄水場、配水池等の基幹施設の耐震化を100%とする。特に、東海地震対策強化地域及び東南海・南海地震対策推進地域において出来るだけ早期に達成する。基幹管路を中心に管路網の耐震化率を100%とする。特に東海地震対策強化地域及び東南海・南海地震対策推進地域においては出来るだけ早期に達成する。」としていますが、実際のところ基幹施設、基幹管路耐震化率は、全国の水道事業者等に対する調査によると、平成17年度末現在、浄水場の耐震化率は能力ベースで約12%、配水池は容量ベースで約20%、導水管・送水管・配水本管の耐震化率は約11%と極めて遅れているのが現状であり目標には程遠い状況でもあります。特に、管路の損傷等は広範囲において影響を及ぼす事になるので積極的な管路の耐震化を進める必要があります。平成18年に富士市では、国が策定した「水道ビジョン」の基本理念である「安心」、「安定」、「維持」、「環境」、及び「国際」という政策課題に関する目標を達成し、水道を利用する皆さまのニーズに対応した信頼性の高い水道を継続していくため、水道事業の現状と将来見通しを分析・評価した上で、本市水道事業の将来像を描き、その実現のための方策を推進するため「地域水道ビジョン」を策定しました。基本方針として安全でおいしい水の安定供給とした上で、施設の維持管理と耐震化の推進は組み込まれており、災害対策を含めた上での整備計画も進められています。また、簡易水道が統合され広域化を図る事により、災害時の諸問題のリスクを分散化し、非常時でも給水を可能にする為にも統合の必要性はありますが、統合事業終了は平成32年として、事業の推進にも、時間は掛かるものとしています。また、昨年合併した富士川区域の水道事業の統合も図られていきますが水道事業の範囲も広がっています。
もちろん、震災対策には完璧という基準はありませんし、多額な費用も伴うものである事でもありますが、震災時における復旧には多くの労力と時間が必要となるのが予想されます。しかしながら、想定される東海地震を始めとする災害は、いつ起こるか分からない状況に対し、ライフラインの強化を考えながら、更なる災害対策の取り組みを取り入れ、事業統合を図りながらも、被災した場合でも速やかに復旧できる体制の確保等が必要とされ、すべての地域に住む市民生活の安全・安心の構築を進めなければいけないので以下の質問をいたします。
1点目として、地震に強い水道を目指さなければなりませんが、配水池等の基幹施設及び基幹管路は特に、地震によって大きな被害が予想される導・送配水管路の耐震化(耐震化率)についてははどのような状況かお伺いします。
2点目として、現状と課題として、給水及び復旧計画は合併後どのようになっているのか、また、簡易水道区域内においてはどのような対応があるのかを把握しているのかをお伺いします・
3点目として給水活動の一環として、水の豊かな処であるからこそ、災害時における自然湧水の活用は検討できないか
の3点について質問をいたします。
続きまして、2項目目の「東部地区調整池(江尾江川・トツラ沢)の開発に伴う水害予防対策について」ですが、一昨年の台風4号昨年のゲリラ豪雨と2年続けて水害被害があった東部地域において、多くの水害対策が取りくまれており、私もその都度議会において取り上げさせて頂きました。上流部での調整池、下流部での遊水機能回復、河川改修や浚渫、多くの要望も取組み進めて頂いていることも理解はしていますし感謝もしています。水害問題に対しての解決に向けての一環として本年、進められている湛水防除事業としての江尾江川調整池(18900トン)及び、第2東名関係のトツラ沢貯整池(2000トン)建設の事業が始まり、一刻も早い完成が期待されます。今、進めている事業地周辺は愛鷹山麓の切り立った沢に位置し、一たび雨が降ると急勾配の山から水が一気に緩やかな平地に流れ込むのはわかっており、関わる河川としての江尾江川や春山川は川幅も狭く、流量が少ないので流れ込んでいる沼川の水が掃けないと被害が生じる事が予想されます。その為に上流部で貯水池を作り、上流部で水を貯めることにより下流部の被害を減少させるのが目的であります。しかしながら、完成までの間、地形やその関わる流量の低い河川を考えるとどちらの事業においても、下流部に対して影響を与えないか心配されます。今までの水害の被害の状況からすると、雨が降ってから、水が溢れ出る時間が非常に早くなってきていること、また、溢れ出る水に赤土が混ざっていることが分かっており、また、現在、増川での江尾江川の工事が始まり、現場においては木が伐採され、地面がむき出しになっている状況を見ると、地元住民としても不安を感じ、水害の軽減の為の事業とはいえ開発が始まったという感がぬぐえませんので、事業ではありますが通告には敢えて第2東名建設を含め開発という言葉で表現させて頂きました。実際、大規模な現場を見ると、完成するまでの間の水害が心配されます。また、トツラ沢調整池に関しても、江尾江川より規模は小さいものの関連する春山川下流部には東小学校があり、河川が溢れでたら大変な事態になることが予想されます。東部地域の水害の根本的な解決には、沼川流域の河川改修を始めとする整備であり、また、田子の浦港の石水門の拡幅等も長年の課題でもあります。県では沼川流域委員会を立ち上げ、沼川整備計画の策定においても取り組み始めましたが、時間は掛かるとしています。地域住民の安全・安心確保の為にも、山地、丘陵部に施設を設置するに当たっては地質、構造等について十分留意する必要があり、今までの被害状況の調査を活かした上で、少なくとも工事期間中において大雨が降った時に、被害が起こらないようにできうる関係河川の改修、浚渫を始めとする予防対策を進めなければいけないので以下の2点を質問致します。
1点目として開発に伴う水害は検討されているのか、進められていく工事に際しての対応はどのようなものかお伺いします。
2点目として河川改修、浚渫の必要性をどのように考えているか、県との連携はどのようにしていくのか
をお伺いして、1回目の質問と致します。