私の周りで重大な病気になる人が最近特に多くいます。先日ある医療雑誌で低侵襲と言う言葉に出会いました。低侵襲とは聞きなれない難しい言葉ですが、医学用語で身体にとって害のある事を侵襲(しんしゅう)と言います。手術であれば身体にメスを入れる事、薬であれば副作用の可能性を含めて侵襲と言うそうです。低侵襲治療とはこの度合いをできるだけ低くする治療です。例えば内視鏡や腹腔鏡を使って可能な限り小さな創で手術を行う事や血管を通るカテーテルを用いた治療を行う方法など身体に入っていくアプローチを変える事での低侵襲治療が行われています。また、臓器が持つ機能を損なわないように最小限の切断で済むような治療も低侵襲という事ができます。できる限り身体の負担を少なくし、社会復帰を早期に実現させる可能性を高くする,低侵襲治療こそ、言うなればからだに優しい医療と言えます。
この低侵襲治療が可能になった背景には医療技術・機器の飛躍的な発展によりこれまでできなかった事が出来るようになったと事が挙げられます。加えて画像技術が劇的に変わり今まで見えなかったものを可視化する技術が目覚ましい変化をとげています。人間の臓器で不要なものは1つもありません。残せるものは残す事が基本です。低侵襲こそ患者本位の最先端治療と言えます。ただ、低侵襲治療に関しては病院や医師を選ばなければいけない現実もあります。病気になった人中心のからだに優しい低侵襲医療ができるかどうかは病院選びからかもしれません。
患者中心のからだにやさしい医療の取り組みを富士市立病院も積極的に進め、選ばれる病院になって欲しいです。