空港運営は前途多難!?

 開港前に視察はしましたが、6月4日に静岡空港が開港しました。多くの問題や話題もありましたが、無事、滑走路も延長できるようになり、また、FDAによる小型機による多頻度運航も開始されます。夢と希望を載せて飛行機は飛び立ち空港は開港されましたが・・・

 現在、不況による経営状況の悪化により航空会社の地方間路線撤退・減便が相次いでおり、空港を抱えている自治体は、少ないパイを巡り地域間競争を強いられ空港維持に懸命であります。
 そんな中での静岡空港に関しては、他県が羨むほどの金銭的支援を用意し、異例な路線を確保しました。ターミナルビル使用料や夜間駐機料(ナイトスティ)の助成など本年度の予算には「空港利活用促進支援事業費」として4億7300万円を計上しています。また、JALの福岡路線限定で搭乗率70%を下回ると不足分の運賃収入(1席当り1万5800円)を補う搭乗率保証もしています。しかしながら開港して1か月位の間もない中では賑わっていると思いきや

「静岡空港:開港1週間 JAL福岡便、搭乗率67% 70%割る 
 JALによると、土日を含む7日までの搭乗率は68・5%で、平日の8、9両日も低迷した。来年3月末までに70%を下回った場合、県はJALに1%につき約3800万円を支払う計算で、仮にマイナス3%になれば1億円超を県税で補てんすることになる。」

というすでに搭乗率70%を割っているという新聞記載もありました。また、濃霧による欠航も多く、早くも減便もあると前途多難な様相を感じさせます。

 実際、地方空港を中心に国と自治体が管理する全国41空港の収支はターミナルビルを含めても減価償却後は大半の38空港が赤字を出しており、空港経営の難しさは感じます。しかし、空港本体の赤字だけを取り上げるのではなく、地域活性化への効果をもっと幅広く理解してもらうという論理もあり、それは、各地域においての社会インフラにおける「ローカルバス」と同じで、行政が運行補助するのは必要な施策と言えるのかもしれません。要するに、初めから、地方空港の運営収支の赤字は当然で運行補助は必要という理屈はまかり通っている様にも思えます。ですから、空港自体の収益というものは数字で明らかになっていく以上、空港がある事によっての利便性は本より、地域活性化としての観光振興、工業振興や企業誘致がどれだけされているのかという事は、今後、県民に数値で表す必要もあると思います。
 経営的には難しいと懸念されていた空港は作ってみたけど(あるけど)・・・・・・と言う事にならないように新たな県知事には取り組んでもらいたいものです。

来月、静岡空港を利用して北海道へ行く予定があります。空港を改めて視察(検証)してこようと思います。