2000年に都市計画法改正で、今まで国が義務付けしていた線引き制度を都道府県が自由に選べる「選択制」に変わった後、都市計画区域では全国6番目に線引きを廃止した岡山県笠岡市の視察を終えて帰ってきました。
笠岡市は瀬戸内海沿岸に位置する人口5万4700人の小さな市ですが、隣接する広島県福山市などと工業集積を促す「備後地区工業整備特別地域」の指定を国から受ける条件に1972年に導入した線引きを2009年に4月に線引き廃止をしています。都市計画法で郊外への無秩序な開発を抑制するために導入された「線引き制度」廃止する動きがある中で、大変興味深い課題として「線引き制度廃止による共生型土地利用について」と題して会派での視察になりました。
線引き廃止した自治体の多くの共通することとして、農業所得の減少や後継者不足などを理由に土地の売却を望む市街化調整区域内の農家の間に、売却の際の支障となる土地利用規制への不満が大きいことが挙げられます。
都市機能を中心部に集約して高齢者にとって住みやすい街つくり、同時に財政支出も抑えようとするコンパクトシティを進めいていくには、郊外開発に歯止めを掛ける線引き制度は必要な手立てでもありますが、線引きをされている地域の人口減少による過疎化問題も地域にとっては重要な課題でもあります。私の住む東部地域においては、線引き廃止を進めてもらいたいと言う要望も強くあります。
笠岡市では、線引き廃止をしてまだ間もない事もあり、期待されていた効果はまだはっきりとは示すことは難しいとしていました。(線引き廃止しても、不況もあり劇的な効果は無いようです)しかしながら、笠岡市以外にも今後も、合併自治体を中心に「統一的土地利用」を目的に線引き廃止する動きはあるように感じとることはできました。
笠岡市以外の線引き廃止も更に研究しながら、富士市にとっての土地利用は考えていきたいと思います。
尚、詳しい視察報告は後日提出します
ヒアリングをさせて頂いた笠岡市議会議事堂は大変立派な建物でありましたが、笠岡市のマークが、女性の好きなブランドメーカーロゴに似ており、ちょっと笑ってしまいました。