住みたいまちでの液状化

東日本大震災で地震、津波、放射能とともに、その恐ろしさを実感したのは、「液状化」でもありました。会派で震災後5カ月過ぎた8月25日に液状化被害の現状を踏まえた浦安市に、視察へ行ってきているので、遅ればせながらの感想です。

浦安市は言わずと知れた、東京ディズニーランドがあるまちです。(私の妻も知り合いが浦安に住んでいて、ディズニーランドにいつも行けて羨ましいと常日頃言っていました)
東京駅から京葉線を利用すれば10数分でいける利便性、また海に近いリゾート感覚が漂うおしゃれな街並みは若い人にとっては憧れの住みたい場所でもあります。その新浦安で、震災直後、東日本の津波被害とは別に、泥水が溢れだし、深いところでは膝下まで、歩道ではマンホールが飛び出し、戸建て住宅や電柱は傾き、道路には段差が生じ、交通が遮断された上に、上下水道のインフラは機能不全となった状況は、津波とは違う惨状が映し出されました。
埋立地が液状化しやすいという事は良く聞いていましたが、実際、液状化の発生しやすい条件として、「地下水位が高い」「浅いところから緩い砂層が存在する」「砂層の粒径が均質である」「震度5強以上の揺れ」と言う4つの条件です。埋立地ほど液状化の危険度は高い事は言うまでもない事です。
5か月経ってはいましたが、液状化の被害として、地盤が沈下することで、戸建て住宅は不同沈下起こして傾き、地下では液状化による浮力を受けて、歩道にマンホールが飛び出しています。
(住宅街の家、 電柱や郵便ポストも傾いています)

下水道など配管も勾配により破損し、1カ月に渡り下水道の使用が禁止されていたそうです。マンションは至る所に建設されていますが、地中深くまで支持杭を打ち込んだマンションは被害がほとんどなく、接する道路や敷地の地盤が沈んでしまう、「抜け上がり」と言う現象が起きている事も確認できました。

現在の新浦安市は、仮復旧は終わりインフラ整備が今までのように使えるようになっているようでしたが、本復旧までは、数年はかかるとされています。
(住宅の水平化工事現場・水道の仮復旧菅で接続・段差がある中でコンビニも営業)

今後の課題として、下がってしまった道路面地番の復旧水準を行政がどこに設定するかです。
(道路には至る所にレベル表示がされています)

復旧レベルが確定されなければマンションなどの外構レベルが決められないので、いつまでも、仮のスロープで対応しなければなりません。

余りにオシャレな高級住宅街や高層マンションが立ち並ぶ地域の惨状は、被害に遭われた方々には申し訳ありませんが、資産価値が大幅に減少してしまったことを伺えると共に、今までの、住みたいまちと安心、安全な街は違う事は感じずにはいられませんでした。
私の住む東部地域には、埋め立てをした土地区画の場所や基礎杭を打っても流されてしまうほど軟弱地盤の場所が存在し、その意味でも浦安市の出来後は他人事ではないような感じを持って現状を見てきました。