どうなる岳南鉄道、どうする富士市の公共交通

岳南鉄道は昭和23年に設立し、富士の貴重なローカル線として活躍してきました。吉原駅を起点に10駅あり全長は9,2キロ。「新赤がえる」「がくちゃんかぐや富士」の旅客列車と、貨物輸送の電気機関車の両方が走る鉄道としての特徴もあります。その岳南鉄道が富士市公共交通協議会において、「岳南鉄道の運行継続困難の申し出について」が協議されたので傍聴に出かけたのですが、翌日の新聞には大きく「岳南鉄道 事業撤退も視野」と言う記事が大きく報道されました。

岳鉄の畠山社長からの説明では、岳南鉄道の旅客輸送量は平成22年度77万人で、ピークだった昭和42年度の510万人の6分の1以下に減少。また、貨物輸送量は平成22年度6万4千トンも、最盛期であった昭和44年度の99万8千トンの15分の1というこうした情勢から22年度の鉄道事業収支は約6263万円の赤字計上であるとしました。
(協議会で提出された資料)

来年の4月からJR貨物輸送が廃止になる事により赤字はさらに拡大するとして、鉄道事業は自助努力では乗り切れない状況の説明があり、地域での岳南鉄道を支える仕組みづくりの公的支援の要望が出されました。
今後、専門部会であり方は協議されてきますが、現在も1日2100人の利用はありますので、もし鉄道が無くなるとするとその影響は大きく、また、長い間愛されてきた岳鉄が無くなるという事態は市民にとっては損失であると共に大変ショッキングな事でもあると考えます。しかしながら、鉄道インフラの維持整備には莫大な投資は必要となり、市民の理解無くして簡単に公費投入と言う判断は難しく、新聞にも書かれていましたが、公共交通の未来を、市民が真剣に考えなければいけない時がきたようです。
私もその意味でも事業撤退も視野と新聞報道がなされた日に、岳鉄では、「第4回機関車祭り」が開催されていたので、沿線住民としても気になり、電車に乗って見に行ってきました。

機関車祭り開催場所の比奈駅には、地域の人はもとより、沢山の鉄道好きの全国あちらこちらの方々がカメラを片手に集まっており、鉄道に関わる物が売られ賑わっていました。

鉄道撤退という記事を読んでいるだけに複雑な気持ちはありましたが、じっくりと、貨物機関車のED501,ED403等を写真に収め、フリーパスでがくちゃんにも赤がえるの電車にも乗りこみ、岳鉄を堪能してきました。

時代の流れの中では、公共交通としての岳南鉄道の価値を市民がどれほど認識しているかは気になる所でもあります。
(昭和30年頃の岳鉄風景)(休止予定の貨物列車ED501ED403)

以前にもブログに書きましたが、どうなる岳南鉄道、どうする富士市の公共交通です。