最近、心臓の謎に挑み続けた人類の歴史ついての記事を読む機会がありました。
その中で書かれている事は、今では、心臓の手術は一般的に良く行われる手術でありますが、天皇陛下も行ったバイパス手術においても、ルネ・ファバローロが世界で初めて心臓のバイパス手術を成功させた時「われわれはたった今、医学の歴史を作った」と言ったほど衝撃的な事でありました。
神秘的な存在として先史時代から人類の注目を集めていた心臓に、古代ローマ時代に科学の光を当てたのは、現代医学の父・ガレノスと言われています。また、ルネサンスを生きた天才レオナルド・ダ・ヴィンチの功績として、解剖によって人体と向き合うことで、人が高齢に達すると動脈が硬化し、やがては詰まることを発見しています。そして、ダ・ヴィンチよりも100年ほど遅れて英国で生まれたウィリアム・ハーヴェイは、「心臓が血液を肺から身体に送り出し、送り出された血液が再び心臓に戻ってくる」という血液循環の発見をしました。ルネサンス以降にはさまざまな発見がされましたが、現代を生きる我々が直接的恩恵を受けている心臓に対する治療や知識は、1893年以後のものがほとんどだそうです。原子力人工心臓という今ではジョークとしか思えないような失敗もありましたが、この100余年の成果には目を見張るばかりです。カテーテル、人工心肺、人工弁、ステントやスタチンなどの発明が救ってきた命の数は計り知れません。
これらの成果のおかげで、運が良く治療・手術をされ長く生きることができるようになった人達は、生かされる時間を有効に使わなければならないと感じます。記事を読みながらも、人類の飽くなき探究心とそれがもたらした驚くべき成果、なによりその探究心がもたらす医学の発展・進歩には心臓に限らず今を生きる私たちは感謝せねばならないと感じます。
あらためて医療の発展・進歩の恩恵を受けられるような富士市立中央病院である為にも、医師の確保をした上での先進高度医療の充実は求められることであると強く感じます。