ちょっと前になる事ですが、お盆に入る前に、富士市議会議員研修会として「議会基本条例について」の講演が山梨大学の江藤教授を呼んで開催されました。現在、富士市議会は、議会の最高規範と言える富士市議会基本条例の11月制定に向けて取り組んでいます。
既に市民アンケート、全員協議会に置いての草案協議がされており、今回の研修となりました。
江藤先生は、議会不要論が囁かれる中に置いて、「住民に開かれた住民参加を促進し、執行者としての首長とも切磋琢磨し、議会の存在意義である議員同士の討議と議決を重視する議会」としての条例制定が必要である事が説明されました。また、議会は住民の為にあるとし、ただアリバイ的に作る条例なら市民は相手にしなくなる事を理解した上で、これを制定しなければならなく、本気で、議会を変える、地域を変えると言う気が無かったら駄目であると断言していました。先生の明快な、講演は大変勉強にはなりました。
議会基本条例に関しては、現在、確認されているだけでも114の自治体議会に置いて制定されています。また、これからも、富士市を始めとする多くの自治体でも制定作業に着手していますが、多くの自治体での制定に伴い、その効果は、従来にはなかった活発な議会活動に繋がっている一方で、当たり前の理念を着飾り、条例に定められた活動を全く行っていない議会も存在します。その意味では、議会間の活動格差は拡大しています。
私は、議会基本条例は市民と議会の約束事であり、富士市議会がそれをしっかり実践する事が「市民が主役」、「地域が主体」である安心・安全・心豊かな市民生活の向上を進めるまちづくりに繋がる事であると思っています。また、条例制定の最大の目標は、議会への評価があまり高くない中での信頼を構築し、今までの無関心であった人達への、市民との関係づくりであると思っています。
今後の予定としては、8月31日に全員協議会での原案協議が開催され、その後、市民にはパブリックコメントや説明会が開催される流れとなっています。会派においても、議会改革検討委員会で内容はその都度精査し勉強会も開かれています。
制定までの過程も大切な事である事はいうまでもありません。
しかし、あくまでも、制定する事が目的ではなく、この条例をいかに活かしていくかが重要であります。