「議員さん、家の近くの道路の出口、出会い頭の事故が多いので、停止線と止まれを道路に書いてくれないかな」
「通学で自転車を使っているのだけど、車が多くて横断歩道がなくて困っているの」
最近そんな要望がよく言われます。
道路に線を引く事ぐらい、簡単なことだと思っていたのですが、簡単ではない事が議員になってから、よく分かりました。市の道路の路側帯の線引きは、道路維持課でやっていただけるのですが、停止線や横断歩道となると、交通標識となり警察の管轄で、市で勝手に線を引いたりはできません。
それじゃ警察に頼めば、すぐやってくれるかと言うと、簡単にはやれない状況です。線を一本引くのにも、県の公安委員会に案件を挙げ許可がおりなければ、引いてもらえません。ですから、事故が起きている場所でも、簡単に停止線や横断歩道を書いてくれるという訳にはいきません。先日も、事故が多発している場所なので、一刻も早く線を引いてくれるように、市より警察の規制係に連絡を入れてもらったのですが、返答は、
「要望は受けているが、すぐにできず、来年度末までにはやります」
と言う返答を貰いました。とっくに要望が出ているのに、また、事故が多発している場所だから優先的にやってくれればいいのにという思いがあったので、直接、警察に言って話を聞くと、
「あくまでも、ここで、許可をおろすのではなく、県の公安委員会で審査して、許可がおりなければ工事発注はできません」
「そうはいっても、その場所は事故が起きて困っているのですよ。線くらい引ける裁量はここにないのですか」
「ありません。公安の許可がなければひけません。少なくとも申請をしてから3か月くらいはかかります」
「エーそんな時間が掛かるんですか、公安に行って早めてもらえるようにいってくださいよー明日にも事故が起きたら誰が責任とるのですか」
「誰が頼もうと正式な手順に則って、許可がある以上、順番です。事故が起きた時の責任は、車を運転している人の責任です」
「そんな、少しでも早くやってもらおうと来ているのに、何とかならないですかね。線一本くらい、なんなら、僕が引いてもいいんですけど」
「ひかないと言っているわけじゃなくて、許可がおり次第って言ってるじゃないですか、勝手に引いたら罰せられますよ」
「うーん、もう少しシステム変えるということは考えられないのですかね」
「私じゃ、どうにもなりません」
警察まで行って来たのですが、すぐに、停止線をひいてもらうという訳にはいきませんでした。
多くの場所で、危険な所があり、交通標識などの要望が多いのですが、計画的に要望を出していかなければ、すぐに対応という訳にはいかないという事が良く分かりました。
でも、緊急性があるところは少しぐらい融通を利かせてくれてもと思っています。