工業振興における川崎市と富士市の違い

環境先進都市の川崎市にある川崎ゼロ・エミション工業団地は川崎エコタウン構想の先導的モデル施設として整備された工業団地ですが、その中の一つで世界初のゼロエミッション製紙工場、コアレックス三栄レギュレーター株式会社東京工場を会派で視察してきました。

この会社は富士宮に本社を置く、コアレックス信栄製紙[株]のグループ会社でもありますが、この三栄レギュレータ—東京工場では、主にオフィスからでる機密文書・重要書類を秘密厳守の元、リサイクル利用によりトイレットペーパーが製造されていました。

 ゼロエミッションとはすべての廃棄物に付加価値を見つけだし、原材料を最後まで利用しつくし、資源を活かす生産工程を考えたり、リサイクルの活用法などを生み出すことが、新しい循環型産業システム「ゼロエミッション構造」創造することとしています。
ゼロエミッションを実践する三栄レギュレータ—東京工場では工場内において資源をムダにしないよう工場内で発生した資源もあますところなく活用しています。使用した中水(下水と工業用水の中間の水)を放流時に水力発電を行なったり、PRF(プラスチック類やペ−パースラッジなど紙のリサイクル時の副産物を燃料として使うもの)を燃焼する際に発生する熱エネルギーを蒸気として再利用するなど、資源の「工場内循環」を実現しています。また、灰はセメントの原料として再資源化。独自の技術で資源を活かす道を切りひらいています。

富士宮本社よりわざわざ、私たちの為に説明にきてくれた執行役員の佐野さんから、
「川崎市は政令都市という事もあるかもしれないが、許認可については恐らく日本一厳しいが、その反面、経済労働局が力を持っており、企業支援は手厚く、規制が厳しいが支援はしっかりしているので企業も進出しやすい。富士市は規制も厳しい上に、工業振興の支援が薄い。その点について、せっかく富士市の議員さんが視察に見えて頂いた中では、検討してもらいたい事です」と川崎市と富士市の違いが指摘されました。
富士市での企業留置、企業誘致は市政の重点課題である以上、他地域の先進事例を視察すると、富士市の工業振興はもっと力を入れなければいけない事である事は、改めて痛感します。
都市活力再生を進める上でも、企業からそのように思われている工業振興については、真摯に受け止めなければいけないと事でもあると思っています。