先日、「議員定数のあり方について」の研修会が開かれました。議員の定数や議員報酬の削減については、様々な所で話題に出る事ですので興味深く勉強させて貰いました。
講師の新潟県立大国際地域学部准教授田口氏は「多種多様な意見を反映していく上でも、議会の歴史的経緯、地方自治の改正を踏まえ安易な議員定数削減はすべきでない」と言ってくれたことについては、世論の定数削減ありきの議論ではいけない事を感じました。
これまで自治体の議員定数は、地方自治法に定められた人口に応じた上限定数を基準にして条例で決められており、富士市も40人の上限に36人の議員定数でありました。昨年地方自治法の改正により地方議会の議員定数の条文を定めてきた条文が削除され、この事により、人口を基準にして議員定数の上限定めてきた法律が無くなったという事は、各自治体で議会は何人にするかを自己決定しなければならなくなったことを意味します。ある意味では、上限と言う基準があった事により、それを下回る定数にする事が、市民に議会側も経費削減努力をしている事が示されてきたと言えます。
議員定数削減でよく言われている事は、「人口1万人に対して1人」、これは何の根拠をもっての基準なのかは疑問に感じます。と言うのも、人口5万人の市であるなら、議員は5人でいいと言う事になってしまい、それでは議会が成り立たないのは明らかな事であり、もっと言うならば、人口5000人の町では、0,5人と議員は0人とあり得ない話となってしまいます。議員定数削減については、実際には何人かを削減しても、まだ多いから減らせと言う圧力は無くならないと言われています。研修会の中では、仕事量が増えているのに議員を減らす事は危険であり、若い人や女性が関わるためにも、人数は必要となる事、また、定数を絞れば質が上がるということはないとも話されていました。
いずれにしても、上限撤廃によりこれまでの法律上の基準がなくなったため、議会は議員の定数を何人にするかを検討して決めると言う事が求められています。
あらためて、富士市に相応しい定数の在り方については、「市民は、議会に何をして欲しいのか、議員に何をして欲しいのか」を投げかけながら、「誰が議員であるべきか」を含め、合議体としての議会は何を任務としているのか、その任務を十分に果たすには何人の議員が必要なのかを各議員が真剣に考え、議会としても次の選挙までには議員数については結論を出さなければいけない事でもあります。