赤どぶ池のカメとハスの花

浮島釣り場公園にある、トンボの保全をしている赤どぶ池は今、ハスの花が見頃です。
休日になるとトンボとハスの花の写真を撮りに来られる方が入れ替わり立ち代わり訪れています。ただ、トンボの写真を撮りに来ている方からこんな気になることを言われました。

「トンボの種類で言ったら、こんなに素晴らしい場所はないよ。でも、4年前にはハスの花はなかったけど池の風景が変わっちゃったね。トンボの写真を撮り続けているけど、トンボが少なくなっているよ」
「ハスの花は咲いているけど、ここの花は野生化したハスの花なのか、花の色が良くないね」
「もともとあった水連が、ハスでほとんどなくなっちゃったけど、ハスが強くて駆逐しちゃったんだね」
「大きなカメがあちらこちらで見かけ、甲羅干ししているけど、トンボの生育、大丈夫?」
ハスの事については、私も以前から生態系に対しての不安は持っており、「みどりの課」に生態系の影響についての確認はしてもらっていますので、それは置いといて、トンボの保全を考えるとあらためて心配なのは、赤どぶ池で気持ちよさそうに甲羅干ししているミドリカメ。

ペットショップや縁日などでおなじみの、この『ミドリガメ』。祇園祭でも売っていましたが、お祭りでは体長およそ5センチと小さく、飼いやすいことから、小さくてかわいらしい人気者です。このカメの正式名称は『ミシシッピアカミミガメ』。名前の通り、北アメリカが原産地で、その多くがアメリカから輸入されています。今、飼い主が捨てたカメが各地で大繁殖し、生態系にも大きな影響を及ぼすことが懸念されています。寿命は30年余りですが、早ければ3年で20センチほどに成長し、飼育にも手間がかかるようになります。繁殖力が高く、卵の数はイシガメのおよそ2倍。体の大きさもひと回り大きく、食欲が旺盛です。ミドリガメは水辺の自然を破壊するおそれがあると言います。当然、トンボのヤゴは大好物。また、ミドリガメは、農業にも被害をもたらす事を聞きました。徳島県鳴門市のれんこん農家では、5年前からレンコンの茎を食いちぎられる被害が相次ぎ、損害は多い年で年間1,500万円にものぼります。その意味からすると赤どぶ池のハスのレンコンとトンボのヤゴはミドリカメの生息にはもってこいの場所と言えます。
私は赤どぶ池のトンボの生態系に大きく関わるミドリカメの駆除についても以前に議会で取り上げましたが、その後、ミドリカメの駆除はどうなっているのか、どうしていくのか、トンボの保全をどのようにしていくのか、今のままでいいのか、と言う不安はあります。
気が付いたらトンボがいなくなってしまったと言うような状況にならなければいいのですが・・・・。