22年2月議会一般質問

1、救急需要の増加に対しての消防と医療の連携について
2、生物多様性と浮島ヶ原について
お許しを頂きましたので、私は先に通告している通りの2項目を質問させて頂きます。
まず1項目目の救急需要の増加に対しての消防と医療の連携についてですが、人の命にかかわる大切な富士市の救急医療体制については議会においても何度か取り上げられている事でもあります。本市においては、主に富士市救急医療センターが1次救急医療を担い、入院が必要となる重症患者さんに対しては、富士市立中央病院を初めとする2次救急医療機関が他の医療機関との連携を図りながら病状に応じた適切な救急医療を提供し、2次救急指定病院では対応できない重篤救急患者さんに対しては、県内7カ所に整備されている救命救急センター等の3次救急医療機関において高度な救急治療が実施されるとする1次・2次・3次の救急医療の連携する体制は理解しています。その中で富士市の場合、救急医療機関として、救急自動車を利用した場合、多くの患者は第2次医療機関へ搬送されます。119番による救急業務においては、患者とそこに居合わせる人と消防と医療機関の連携について、昨年、私の母が突然倒れた時に救急車を呼んだ際に経験して感じた事があります。それは、緊急を要する重症疾病者に対しては、なるべく早く医師の下へ届け適切な医療行為を受ける事は救急業務の効果を上げるために重要な事でありますが、その為には地理的に近い病院への搬送及び患者の的確な情報伝達は大切なカギとなると言う事であります。また、救急自動車の現場到着時間や病院までの搬送に迅速な対応は勿論ですが、重症度、緊急度により優先順位の必要性は求められることでもありました。早期の高度な医療処置が救命及び予後の改善に高い効果が期待される脳卒中、心筋梗塞、高エネルギー外傷に対して、特に脳卒中等の脳疾患、心筋梗塞等の心疾患についての緊急度及び重症度に応じた医療機関への早期確保は必要であります。
今後、高齢化の一層の進展や疾病構造の変化などに伴い、重症疾病者の救急需要の増加は避けられない事でもあり、受け入れ困難な事例の増加も想定される中では、住民の安全・安心のよりどころとしての更なる救急業務の一層の体制整備が望まれる事であります。しかしながら、救急搬送の受け皿である医療機関の充実は求められる事ではありますが、現在の医師不足が叫ばれる中では、市立病院においても急激な改善は困難な現状であると考えられます。そうした中で、消防法の改正により県では消防機関と医療機関の連携を推進する為の仕組みと円滑な救急搬送・受け入れ等のルールに関しての「救急搬送・受け入れの設置基準」の策定を取組み始めています。しかしながら、救急業務については、誰でもが突然遭遇する事があるかもしれない事柄でもあり、その時に、遭遇した人達が最善の対応ができるよう、市としても実態を十分に分析し、出来得る事柄は取り入れた中で、広域的な整備推進は重要かつ急務な事柄でと思われるので以下の質問を致します。
1点目として増加する救急需要に対しての救急・救助の概要は、どの様になっているのかとして
① 2次医療の搬送については原則、富士医療圏域で対応をなされ照会をして受け入れて貰っていると思いますが富士医療圏域以外への搬送状況はどのようになっているのか
② また、患者にとっては、救急車の到着は勿論ですが、医師による処置が一刻も早く求められる中では、救急連絡から医療機関まで到着時間はどのようになっているのか
③ 富士市医療圏においての市立病院を含め医療機関の受け入れ状況はどのようになっているのか
2点目として、地域での急性期病院の役割は市立病院に求められていますが、救急需要の増加への対応はどのようにされているのか、また、救急搬送及び受け入れに対しての問題点をどのように捉えているのか、
3点目として、消防においても、救急搬送についてどの様な対策が進められているのか、また、全国的な取り組みが検討されている救急時に対してのトリアージについてはどの様なお考えをお持ちか、
4点目として、救急時においていかに、関係する人達に患者情報の的確な情報伝達が必要でありますが、その伝達ツールとして患者情報を記入したカードを冷蔵庫に保管し、もしもの時には利用できるような仕組みとして救急時に有効な「救急医療情報キット」があります。すでに富士市でも、同様な事を先行的に大淵地区においては婦人会が中心となり安全カードとして着手していますが、市で行っている事ではありません。多くの自治体でも取り組み始めている救急医療情報キットの導入を市としても取り入れるべきと考えるが如何でしょうか、
についてを、お伺いいたします。

続いて2項目目の生物多様性と浮島ヶ原についてですが、生物多様性とは、簡単に言えば、人間も含め同じ種類の生き物の中にもそれぞれの個性があったり、地域に特有の様々な種類の生き物がいたり、さらに、森林や湿原、河川海岸など様々なタイプの自然がある事を言います。この生き物の多様性は人類の生存や存続の基盤となり、地域固有の財産として地域独自の文化の多様性を持ち支えている大切な事でもあります。この言葉を理解して頂いた上で、富士市は北に富士山を望み、南に駿河湾が面し、西には日本三大急流の1つでもある雄大な富士川、東には愛鷹山麓や広大な浮島ヶ原がある独特な自然環境や生態系があります。富士市に住む市民として、この素晴らしい環境を将来の世代に向け継承していく責務があります。しかし、工業の発達、生活の変化による開発や農業の衰退が進み、多大な環境へ負荷を与え生態系にも変化を与えてきている状態でもあります。また、近年では地球温暖化をはじめとする環境問題に直面しており、富士市においても環境の保全及び創造に関する施策を総合的に進める為に、平成14年2月に富士市環境基本計画が策定されており、「富士山の恵みを、みんなで守り、育て、ともにいきるまち」をテーマとして、それに従い、年次報告もされています。国内外においても数多くの野生生物が絶滅の危機に瀕している状況は、恐竜の絶滅以来の第6の大絶滅時代にあると言われています。しかも、1年間に約4万種と言われる現在の動植物の絶滅のスピードは、恐竜時代の絶滅速度より遥かに早い状態の生態系の変化は大きな問題として取り上げられており、国においては、生物多様性の保全と持続可能な利用に関わる国の施策目標と取り組みを定めた「第3次生物多様性国家戦略」が平成19年に閣議決定されました。また、平成20年6月施行の生物多様性基本法では、努力目標として「都道府県及び市町村は生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関する基本的な計画として、生物多様性地域戦略を定めなければならいない」と規定しています。本年は、国連が提唱する「国際生物多様性年」であり、国際的な枠組みを策定するCOP10(生物多様性条約第10回締約国会議)が名古屋で開催される事は、国内においても生物多様性に対しての節目の年でもあります。生物多様性については、富士市の計画の基本目標の一つとして、個別目標の中には「生き物を守ろう」と謳われていますが、基本的には生物多様性基本法が目指す目的と相違ないことから、環境基本計画改定にあたり、富士市も多様な生物を守り、その恩恵を持続的に利用する事を目的とする基本的な計画として、生物多様性基本計画に則り、生物多様性地域戦略の策定に先進的に取り組む事は必要な事であり、富士山が世界遺産への登録がされようとする中では、これからの生物多様性に向けた世論の高まりは国内外への情報発信にも繋がると考えられます。
また、自然環境の保全については、全国的にも珍しい動植物が生息する浮島ヶ原においては残さなければいけない大切な自然や景観があります。その湿原には、環境省レッドデータブックスに記載されている貴重な植物が分布し、特に保護すべき植物群落として提言されている場所でもありますが、開発や耕作放棄地等の土地利用により形態が変化してきています。浮島ヶ原は国土利用計画において、浮島ヶ原緑地保全ゾーンとしての位置付けでもあり、本年より保全公園としての浮島ヶ原自然公園の全面供用開始がされる他、貴重なトンボが生息する浮島釣り場公園の整備計画も進められています。生物多様性の考え方からしても、浮島ヶ原を始めとする市の他の地域においても人間の社会活動と自然環境が調和する地域づくりが重要であると考え以下の質問を致します。
1点目として長い年月をかけてようやく整備された保全公園としての浮島ヶ原自然公園が全面供用開始されますが、利用の仕方と管理運営はどう考えていますか
2点目として土地改良区を含む浮島ヶ原の現状をどの様に把握していますか
3点目として富士市としての生物多様性を保つ施策にどう取り組んでいますか、また、生物多様性地域戦略の策定に取り組むべきと考えますが如何でありますか
をお伺いして、以上、1回目の質問と致します。