児童虐待の現状

2歳の子供を餓死させた事件が報道されていますが、育児放棄と言う児童虐待です。
先日、児童虐待について、“心のネットワーク富士”が開催された時に、静岡県富士児童相談所の中垣さんからレクチャーを受けました。

静岡県の児童虐待の現状として、平成22年度の県内の児童相談所(政令市児童相談所を含む)における児童虐待の相談件数は1,383件で、平成12年は444件であり、10年前に比べ約3倍以上増加してきています。(深刻な問題でもあります)
児童虐待の定義として、保護者がその監視する児童について行う次の行為をいいます。
身体的虐待・性的虐待・心理的虐待・ネグレスト
平成22年の富士市での児童虐待の現状として虐待相談の種類の内訳としては、
身体的虐待42%性的虐待3%心理的虐待16%ネグレスト35%
富士市では、心理的虐待が最も多く、次いでネグレストとなっています。
増加傾向であるネグレストについては、「児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置、保護者以外の同居人による虐待の放置その他の保護者としての監護を著しく怠る事」ですが、炎天下の中で車に閉じ込めて死なせてしまったと言う事件など、子どもを駐車場において、パチンコをするのも、ある意味、育児放棄で、ネグレストであります。
増加の要因として、都市化や核家族化の進行を背景に地域や家庭の子育て機能が低下する中で、虐待が起こりやすい社会環境、家庭環境になっていることや、虐待が疑われる児童も通告の対象となった通告制度の浸透や、虐待についての社会的認識の広がりなどがあげられます。ただ、相談件数は多くなっていますが、一つ一つの相談内容は、軽いものが増えてきているとの事でした。
児童虐待については、親子の問題ですが、児童相談所の援助は必要であり、地域の支援も重要であります。
問題のある家庭に対しても、地域で見守り、地域で子育て、と地域で関わりをどのようにしていくのかは、取り組むべき事柄です。