法然上人の800回忌。

本年は浄土宗を開かれた法然上人800年大遠忌の年を迎えています。法然上人のご命日法要を「御忌」と言いますが、浄土宗では50年ごとの御忌を特に「大遠忌」と称して盛大かつ厳かにお勤めをいたします。

私が檀家になっている円照寺においても例年の御忌法要を法然上人大遠忌法要と法要名を変更して総会を兼ね開催されました。

また、その際に記念法話として、医王寺住職、中川宏享上人による「法然上人御一代記」の法話もありました。
改めて歴史の勉強ではありませんが、法然上人は、1133年の生まれ、幼少名を勢至丸とし、9歳の時に父を亡くした時に、遺言に従い出家し、仏門を志しました。長年比叡山に学びますが、高度な学問、厳しい修行が求められる教えは万人向けでないと、だれもが救われる教えを求め、ひたすら経典を紐解きました。43歳の時に「南無阿弥陀仏と心から唱えると者をひとり残らず極楽へ迎える」と言う、阿弥陀仏の教えに確信を得、浄土宗を開宗されお念仏の教えを説き始めました。80歳で亡くなりましたが、その教えは弟子たちに脈々と受け継がれ、今日に至っています。そんな法然上人の言葉に
“智者のふるまいをせずして、ただ一向に念仏すべし”があります。
これは、自分を知恵ある者に見せかけるようなことなどせず、謙虚な気持ちでひたすら念仏にいそしんでくださいですが、喜怒哀楽の感情に流され、自己を見失い、知識や権力を振りかざしなすべからずことを繰り返す私たち。そうした「いたらない自己」と正直に向き合い反省することがすべての始点となる、とういう立場をとっています。
新たな年を迎え、勉強になりました。