真珠養殖と海女さん

私の子供の頃、どういう訳か、何年か続けて、親戚旅行として伊勢志摩の鳥羽へ行った思い出があります。夏休みを利用し泊まりがけで海水浴をしたのですが、交通の便が悪く、ものすごく時間をかけて行った気がします。でも、海がきれいであった事と、浜辺で焼いて食べた貝の味が忘れられません。

そんな思い出がある伊勢志摩にも先日のお伊勢参りのついでに行ってきましたが、あくまでも視察ではありません。プライベートな観光ですので誤解が無いようにお願いしたいのですが、報告書を書く視察癖がついてしまったのか、途中寄った真珠島で真珠についての話もついついメモしてしまいます。

真珠は1945年頃までは、海女さんが海に潜って真珠養殖用の天然母貝を採集していました。海女さんは挿核した貝を海で管理したり、養殖カゴの掃除なども行っていました。当時の天然母貝から採集した真珠の寿命は14〜5年ありましたが、天然母貝が不足となって以来、海女さんの数も減った為に、杉葉の小枝をイカダから吊して、海に浮遊する天然の稚貝を集め、それを育てて利用するようになったそうです。
現在では、大部分のアコヤガイが人工採苗され、それを母貝に育てます。
真珠の作り方とて母貝の育成・核入れ・手術貝養成・浜揚げ等レクチャーを受けましたが、真珠ができるまでは4年の歳月が掛かり、取りだされた時に出る貝柱は切り取られ食べられるそうです。(珍味です)
(良い真珠と悪い真珠の区別)(真珠から化粧品も作られます)

取りだされた真珠は大きさ・色・形・傷等で選別され商品化されますが、養殖研究や技術の発展に伴い収穫率は増えてはいるもののそれでも、全体の養殖の28%以下しか商品価値のある真珠にならないそうです。

真珠の勉強と共に海女文化の一端を探る為に、海に潜った後に体を温めるかまども見学し、そのかまどで焼かれる貝の試食もさせて頂きましたが、おいしかったです。でも、海女さんも最盛期に比べ大分減ってしまい、ほとんどが観光の為に潜ると言うように変わってきています。

お伊勢参りが一番の目的でしたが、伊勢神宮を中心として観光が成り立っている伊勢志摩は見どころも、食べるものも豊富な場所でもあると感じました。

視察ではありませんが、富士市の観光産業の参考にもなりました。