子どもの貧困を考える上での社会的相続の重要性

富士市青少年問題協議会の委員に任命され、その協議会に出席してきましたが、その中で、子どもの貧困についての勉強会がありました。現在、子どもの貧困率が6人に1人であると言う社会的な問題に対して県が進めている静岡県子どもの貧困対策計画の推進についての説明を受けた際に、子どもの貧困については、国内外の研究者により、貧困の連鎖を引き起こす原因として「社会的の相続の重要性」がありました。社会的な相続とは、一般的にあまり聞きなれない言葉でありましたが、貧困の連鎖を引き起こす上での重要な要因であることを知りました。
社会的相続について、簡単に説明をすると親から子へお金が回ってくる相続は、財産的な相続の事ですが、それに対して社会的な相続というのは、子どもたち自立する力であって、学習する力、学歴、礼儀作法、がんばる習慣とか、そういったものは親から相続されることです。この社会的相続は低年齢期に行われれば行われるほど効果が高い可能性がわかっていますが、その社会的相続ができない家庭が増えているのが実情であり、貧困の連鎖を呼び起こしているとされています。

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日本の子どもの貧困の特徴として、貧困家庭の就労率の高さやひとり親家庭や母親の貧困、乳幼児の貧困率が高い事があげられている以上、低年齢期に社会的相続がされにくい状況は考えられ、家庭環境の改善がなされないかぎり慢性的な貧困率の上昇につながる事は伺えます。
子どもは生まれてきた家庭を選ぶことができない以上、貧困の連鎖を防ぐ為には、社会的相続の重要性を考えなければならなく、三つ子の魂百までと言う言葉があるように、子どもたちに社会的相続がされるように就学前の乳幼児期に親や大人が接する機会を増やす必要性はあり、その上での幼児教育の重要性は増していると感じました。
今後の貧困対策の1つには、親以外からも少しでも社会的相続がされるように誰でも教育を受けられる環境整備として、幼児教育の無償化は進めなければいけない事であると思っています。