企業の発展があっての観光。

 
 工場や企業誘致の限界から、安易に簡単に取り組めそうという意味合いから、各自治体がブームのように観光振興へとシフトを変え、注力し始めています。

 しかしそれは、どこの自治体でも考えることで、観光では継続的に、儲ける事は非常に難しく、観光産業というものは、基本的なものがあり、その2番手、3番手でなければいけないという話を観光戦略の講義で聞きました。そうなると、産業工業都市として富士市は、産業工業の振興が一番力を入れなければいけない事なのかもしれません。観光で食べていくのは難しいと専門家は言っています。
 自治体の観光戦略についても問題もありますが、いいとなると一斉に観光産業について走り出す結果となり、多くの自治体が、同じような施策に取り組んでしまい、特徴が無くなりつつあるのも現実です。フィルムコミッション・足湯・よさこいソーラン・ひなまつり・エコツーリズム・グリーンツーリズム・体験型観光・お祭り等々多くの自治体が始めており、それにより、特徴が無くなると市場が荒らされ、外部のリピーターにつながらない状態になってしまうという問題があります。一時的には、持て囃されるのですが、その後が続かない恐れがある訳で、観光産業を、主とする事が難しいと言われています。
 やはり、富士市においては、基本は、企業がまず元気である事が大切で、それが、観光産業にも反映されることであると思います。私は、議員であると共に、経営者としての顔もあるので、やはり産業や工業振興を進めていかなければならないと思っています。富士市は、元気のある企業が多くなることが、雇用も広がり、税収も上がり、財政状況もよくなる基本であると思います。その上で、全国画一的な観光施策ではなく、富士市の独自の観光施策を考えなければ、持続可能な構造は生まれないような感じをもっています。

 先日、富士市の元気ある企業のニンニクなどの香辛料を扱う斎藤食品工業を見学してきました。おろしにんにく、フライドガーリック、ガーリッグパウダー、乾燥紅ショウガを製造しており、多くの加工食品や香辛料に使われています。
 
 レストランやラーメン屋さんに置いてある、青と銀のパッケージで有名なギャバンさんも取引先で、使用されているそうです。ニンニクなどを専門に扱う食品会社は全国でもあまりなく、日本一のガーリッグ専業メーカーを目指し、頑張っています。
 

 斎藤社長とは、法人会等でご一緒していますが、真面目で勉強熱心な社長さんです。富士市にはいろいろなユニークな企業があると思います。商工会議所の富士ブランドもありますが、行政主導ではない、富士市独自の企業と協働した観光産業を開発するのも面白いと私は思います。